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2014年2月16日 (日)

コラム その⑦【RPGを使ってポートフォリオの本質を考えてみる】

 

選挙をするときに、どの政党もあたり障りのない中道政策になってしまい、「どこに投票しても同じようなものじゃねーかよ」って思うことありませんか?

これは「保守的な層(右寄り)」も「革新的な層(左寄り)」も上手に取り込んで当選確率をあげるためです。そのためにはどうしても政策が「平均」に収斂せざるを得ないという大人の事情があるようですね。

 

味噌汁を作るときに、私たちは味見をします。よ~くかき混ぜても、たしかに濃い部分と薄い部分はあることはわかっているけど、お玉ですくって味見すると「だいたいこのくらいの味だろうな」ってわかりますよね?

料理人が全部飲んじゃったらお客さんに出せないでしょ?だから一部から全体をイメージすることで、味付けはOKだろうという判断をします。ここには、統計学の「検定」という作業が無意識に行われています。

 

このように、世の中に存在する様々な出来事には少なからず「確率」や「統計」という概念を意識して成り立っていると考えられます。

 

本当はこのコラムは書く予定なかったんですけど、やたらウケが良かったので先日、知人が録音してくれた内容を文章にして以下にまとめてみました。しかし、文章にするとどうしても長くなってしまいますな( ̄▽ ̄;)。。。

まぁ、ヒマつぶしがてら読んでくださいよ。


で、以下に書くコラムのメインテーマなのですが、ストライクゾーンが狭すぎてゲーマーの方でないと逆にわかりにくいかもしれません。そういう方はぜひこの機会にロールプレイングゲームやってみてください、戦略脳を鍛える良い訓練になりますから!

また、高齢者の方(読んでくださっている方いるのかな?)で意味がわからない方は、もうこの際ですから、お孫さんにゲーム買ってあげて一緒にやってみましょう。世代間コミュニケーションは大事ですよw

いちおうサブテーマとしてゲーム以外にも、可能なかぎり例え話を入れたり、私の実体験も書いてみました。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。わけわかんなかったら、下のメインテーマは飛ばしてしまってもかまいませんけど。。。

 

 

RPGを使ってポートフォリオの本質を考えてみる】

 

 

RPG(ロールプレイングゲーム)が好きな方だったらお分かりいただけると思うのですが、ドラクエとかFFって最初は主人公が独りぼっちの状態から冒険が始まって、HP(ヒットポイント)・MP(マジックポイント)・経験値も低く(資金量が少ない・トレード試行回数が少ない状態)、最初はなかなかモンスターをうまく倒せず(トレードで勝てず)、次の街まで移動する間にモンスターにやられてゲームオーバーになることってあるじゃないですか(資金不足により相場から退場させられる。あるいは連続ロスカットで投資金額が激減する)。

だけど、ストーリーがどんどん進んでいくと、HP資金量)や仲間(ポートフォリオ)が少しずつ増えて、お互いに弱点を補完し合うことで(ヘッジ効果)、対戦中に万が一「誰かが死んでも」、「誰かが生き残りさえすれば」とりあえずストーリーは前に進みますよね(ポートフォリオによるリスク分散効果)。これは、あまり意識していないかもしれないけど、ゲームオーバーになる確率は下がっているわけですよ(分散効果により破綻を回避、できるだけ多くの銘柄に分散することで生存確率を上げる)。もちろん戦闘中に死んで(ロスカット)しまったプレーヤー(銘柄ペア)は経験値(利益)を獲得できませんが。。。

さらに、けっこう強いボスに対戦を挑む前は、必ずセーブポイントで小まめに保存かけておきますよね(リスクヘッジとしてカバードショート、あるいはロスカットラインなどの設定をしておく)。

 

 

さて、いよいよ戦闘(実践)です。

 

 

これから戦いを挑むラスボスの属性はわかりやすく以下のようなものとしました。

 

 

HP200,000MP200,000

攻撃:一度の攻撃で平均HP5000程度のダメージをプレイヤーに与える。

防御:物理攻撃に弱い。ただし、HP10%以下に低下すると防御力を高める魔法を使い物理攻撃がほとんど効かなくなる。ただし、その場合は魔法攻撃が有効となる。

 

 

↑これ覚えておいてね(* v^ *)v

 

ここで、ラスボスの属性を踏まえて効率的・合理的に戦うためのパーティーの組み合わせ(ポートフォリオ)を考えてみました。

 

 

プレーヤー1 戦士(剣・盾・よろい・かぶと)攻撃は普通・防御が強い 前列に配置

プレーヤー2 格闘家(爪・爪・道着・バンド)攻撃は最強・防御は普通 前列に配置

プレーヤー3 黒魔術師(杖・盾・服・帽子) 攻撃は普通・防御は弱い 後列に配置

プレーヤー4 白魔術師(杖・盾・服・帽子) 攻撃・防御ともに弱い  後列に配置

 

 

↑装備と属性ってたしかこんな感じでしたっけ?なんかFFっぽくなったけど、私の都合上、これで話進めますよ。

 

まず、前列と後列に分けた理由を説明します。

ここでは、4人のパーティーの属性の平均値をベンチマークとして考えます。攻撃力・防御力が相対的に強い属性の「戦士」と「格闘家」を前列に、攻撃力・防御力が相対的に弱い属性の「黒魔術師」「白魔術師」を後列に配置します(ベンチマークを挟んで相対的に割高グループと割安グループに分ける、レラティブバリュー戦略の考え方)。

前列の役割は攻撃力と防御力が相対的に強いので、敵のなるべく近い位置から攻撃させて、防御も後列の2人よりも積極的に受けさせます。

一方、後列の役割は攻撃力と防御力が相対的に弱いので、敵のなるべく遠い位置で攻撃はあまりせず、防御もできるだけ前列の「戦士」「格闘家」に受けてもらい、「白魔術師」は前列の受けたダメージを回復させる役割に徹します。「黒魔術師」は防御力が弱いので、魔法攻撃によって後列から前列にいる「戦士」「格闘家」の攻撃の援護役をします。

言い換えれば、前列は「攻撃」と「後列の盾」の役割を、後列は「前列の攻撃援護・防御援護」の役割を果たします(会社の「営業」と「コールセンター」もこんな役割分担ですよね。「営業」はどんどん新規の契約をとってきて、「コールセンター」は契約者のフォローをして、サービスの解約を阻止するわけですからね)。

 

次に、4タイプの属性に分けた理由を説明します。

全員のHP9999で、一回の攻撃でラスボスが平均HP5000のダメージを与えて来た場合、ターゲットにされたプレーヤーは2回の連続攻撃を受けたら死にます。4人のパーティーだと、8回攻撃を喰らったらパーティーそのものが全滅します。

そこで対策として、次のような役割分担をさせます(ポートフォリオ)。

まず、「白魔術師」はプレーヤーの防御力を高める白魔法を使ってプレーヤーのダメージを仮にHP3333まで抑えられれば、連続攻撃が3回まで耐えられます(耐えるという表現は適切ではないけど)。4人のパーティーだと、12回の攻撃まで耐えられますね。

黒魔術師」も同じように、ラスボスの攻撃力を弱める黒魔法を使って敵の攻撃力を仮にHP3333まで抑えられれば、連続攻撃が3回まで耐えられます。4人のパーティーだと、12回の攻撃まで耐えられますね。

次に、前列は「格闘家」を2人にしたほうが攻撃力があるのでは?と思われるかもしれませんが、防御力の弱い「白魔術師」がバトル中に死んでしまった場合、「格闘家」は回復魔法が使えませんから、「戦士」に回復系の白魔法を覚えさせることによって、「白魔術師」が死んでしまった場合のヘッジ(保険)として「戦士」を組み入れました。

3番目に、前列の「戦士」「格闘家」の2人が攻撃をして、敵の攻撃を受けてくれている間に、後列の援護役である「白魔術師」は回復系の白魔法を前列の2人にかけて、長期戦に耐えられるようにします。さらに「黒魔術師」は、200,000HPを持つ敵に180,000のダメージを与えた時点から、物理攻撃がほとんど効かなくなるため、残りのHP20,000のダメージは黒魔法を使っての攻撃をメインに切り替えます。このとき、攻撃役のメインは「黒魔術師」となり、前列「戦士」「格闘家」の2人は「黒魔術師」の攻撃の援護役にまわります。「白魔術師」は最後まで、自分を含めた4人の援護役に徹します。

このように、パーティー全員で4万弱のHPしかない状態で20万のHPを持つラスボスに勝つためには、以上のような戦略を十分に整えてから突撃する必要があります。相手がどんな出方をして来たとしても、確率で考えれば、平均的なパーティーの組み合わせこそが最適な組み合わせ、つまりもっとも妥協できる組み合わせになるということのたとえです。

以上をまとめると、「前列と後列が相互に補完機能を果たし、それぞれの属性のプレーヤーが別の属性のプレーヤーの補完機能を果たす組み合わせを考えるのが確率論上、最適な組み合わせである」、といえるでしょう。

あと、クラスメイトで1人くらい必ずいたと思うんですが。。。

 

これ、組み合わせ考えるときに、全員「格闘家」にしてラスボス突っ込んだら、けっこうな「確率」でパーティー全滅するでしょwwwww

 

たしかに攻撃力は最強ですけど、回復魔法使えないし、8回の攻撃を受ける前にラスボスを倒さなければならないという非常に困難な条件を強いられます(5,000×8回の攻撃=40,000のダメージ HP9999×4人=合計HP39,996)。それに、ラスボスのHPが残り10%に低下した時、ダメージを与えるためには、物理攻撃は有効ではありません。8回以内に倒すには平均HP25,000のダメージを与えていかなければなりません。さらに、攻撃をしている間にも周りのパーティーがどんどん死んでいきますから、回復魔法がないと長時間の戦闘に耐えられません。

このように、「偏った属性同士(あるいはモノの考え方)を極力平均化していくということが最適な戦略となり得る」、というのがコラムのメインテーマです。

 

いちおう、「召喚士をパーティーに加えて召喚獣に戦わせれば簡単に倒せるじゃねーかよ」、と厳しいツッコミが入りそうなので、みなさんの反論を封じ込んでおきますよ。

 

残念ながら実際の金融取引の現場では、

 

 

 

 

 


召喚獣は呼び出せません

 

 

そういうズルはできないんですよー(それを言ったら魔法もそうなんだけどさ。。。)

このネタ笑ってくれるヒト何人いるのかな( ̄▽ ̄;)。。。

 

実は、分散投資とかポートフォリオって新しく学ぶ考え方ではなくて、子どもの頃、ゲームの攻略本読んで研究したはずなんですよ。金融取引に置き換えると、教科書がごちゃごちゃわけわかんない数式ばっかりだから、どんどん難しく考えてしまうだけのような気がするんですよね。だけど、「考え方の本質はまったく同じでしょ?」というお話です。

この本質という土台の部分がしっかり理解できていれば、商取引でも金融取引でも応用が効くし、基本となる考え方がブレないと思うのですよ。

 

 

【たとえ話を使って戦略の本質を考えてみる】

 

 

メインテーマとしてRPGを使ってポートフォリオの考え方の本質を私なりに書いてみましたが、これは何も金融取引にかぎらず、商取引、スポーツ、営業トーク、男女の駆け引き、ひいては軍事戦略に至るまで、すべての考え方の本質の部分って実は同じで、すべては本質という基礎の土台の上に成り立つ応用問題であると思います。たしかに姿・形は全然違うけど、本質の部分は同じ。だからこそ、基礎となる部分―「考え方の本質」―をしっかり身につければ、あとは応用を効かせて、金融取引の世界でも現実の社会でも、より効率的・合理的に戦略を組み立てることができるようになると思うのですよ。

そういえば、サーフィンが大好きなトレーダーの友人が言っていました。「サーフィンもトレードも本質は同じことなんだよな。同じ形の波は二度と来ないけれど、一度波の乗り方をきちんと身に着けることができれば、どんな形の波が来ても、応用を効かせて乗ることができるようになる」、と。私も彼の意見には非常に共感できます。

 

では、大きく3つの例をあげて、「軍事戦略」・「営業戦略」・「サッカー」について書いてみます。2番目は私の実体験です。かなり内容がエグイので、心臓弱い方は読まないほうがいいかもしれません。

 

まず、軍事戦略で考えれば、「長篠の戦い(1575年)」で織田信長の使った火縄銃の3段打ちの戦術は有名ですね。当時、天下無敵と言われていた25,000人を超える武田騎馬軍団、対する信長軍は3,000人程度。数では絶対に勝てない、さてどうするか?

小学生でも内容を知っていると思うので結論を書きますが、信長の使った戦法は、3列で交互に攻撃を繰り返していくことで連続発射が可能となり、相手に連続攻撃を与えられるというものでした。当時の火縄銃は、たしかに威力こそあれ、発射するたびに銃身内のゴミを掃除しながら弾を込める作業が必要となり、次の発射までに非常に時間がかかりました。

そのため、鉄砲隊を横一列に並べて攻撃をすると、銃を打ってから次の銃を打つまでに時間がかかりすぎてしまい、ものすごいスピードで襲いかかってくる武田の騎馬隊に踏みつぶされてしまいますね。

そこで、鉄砲隊を三列に分散する、つまり、最前列部隊の1,000人が鉄砲を打った後、後列に回って、2列目部隊の1,000人と3列目部隊の1,000人が順々にロールアップして前線で攻撃している間に、後列にまわった1,000人は、銃身内のゴミを掃除し、砲を込めて火がつくまでの時間を稼ぎつつ、時間差攻撃を仕掛ける。これにより連続発射が可能となる。この話の内容は有名なので誰でも話くらいは知っていると思いますが、この話の本質は「①鉄砲隊を三列に分散させ、②時間差を利用することにより、③連続攻撃ができないという火縄銃の弱点を補完する」、という点にあります。

これが、鉄砲の三段撃ちの戦術の本質の部分です。さすが名将信長、お見事ですね。

 

次に、私が初めて店舗経営をしたときの営業戦略を書いてみます。かなりエグイと思うかもしれないけど、商売って泥臭いものですからね、ガチで書きますよ。

まず、私はネットでも店舗でもニッチな商売(隙間産業)が大好きですから、大手が採算割れするような小さな繁華街のホテルを買収しました(今は他の地域でも新規で出したり別の商売もやってます、分散投資ね)。顧客対象はカップル(疑似カップル)利用がメインターゲットです(まぁいろいろ行間読んでくださいw)。時間を1時間2,000のような単位に設定すると、バカみたいにお客さんが入ると考えました。実際、繁華街のビジホとかラブホってそんな感じですよね。

で、やってみたところ東日本大震災の直後ということもあり、思ったほどお客さんが来ません(泣)。前のオーナーさんがあり得ないくらいの安値で店を譲ってくれた理由がよ~くわかりました。どうやら街全体が「需要<供給」の状態になっていて、参入するタイミングを間違えたと気づきました。でも買収してしまった以上は、何とかするしかない <(ToT)>

 

とりあえず「需要>供給」の状態にすれば何とかなるだろうと考えました。

結論から言うと、同業者に価格戦争を仕掛けました。周りの同業者は売り上げが落ちて店がまわらないような状態で、どのお店も1時間2,000のような価格設定で営業していました

私のとった戦略は、まず看板をキレイに作り直し、さらに周りの同業者が気づかないような深夜の時間に、同時進行で内装をキレイに施工させました。そうすると、自然と客足が私の店に集まるようになります。そうすると周りの同業者は腹いせなのでしょうか、私の作った看板はあっという間に破壊されてしまいました。

当然、そんなことは想定していましたから、あらかじめ次に設置する予定の看板は倉庫にしまっておきました。ただし、次の看板の料金表示は1時間1,500に下げた看板を店の前に置きました(これはポーカーで言うブラフ、ハッタリね)。そうすると、やはり客足が私の店に流れてくるので、みんな慌てて価格を1時間1,500にを下げてきました。はい、また、看板が壊されます。まんまとワナにかかってくれました。次の看板の料金表示は1時間1,000下げた看板を店の前に置きました。当然、相手も1時間1,000に下げました。これ、実は私の店の看板を攻撃するたびに、自分の店の売り上げも下がってしまうというカウンター攻撃の仕掛けです。

さて、ここからは資金力の勝負です(ここに誘導したかった)。同じ街の同じ業種ですから、だいたいの家賃や人件費・高熱費などを計算すれば損益分岐点は予測できます。そこで、同業者のタオルやシーツの枚数を毎朝店長やスタッフにこまめにチェックさせて売り上げを推測しました。この段階で、私も貯金を下ろしながら赤字を補てんしつつ、その時をじっくり待っていました。

で、4か月くらい経ってようやく周りがバタバタ倒産し始めました。これで、「需要<供給」から「需要>供給」の状態が完成です。あとは価格をもとの1時間2,000に戻してもお客さんは私の店を使うしか選択肢がありません[1]

これが私のとった一連の営業戦略です。誤解しないでいただきたいのですが、私がやった事は、看板を3セット作り、内装をキレイに施工し直しただけです。たしかに、この戦略のシナリオを描いたのは私ですが、この戦略の起爆スイッチを押したのは「周囲の同業者たち」です。

結局、この話の本質は、「①自分が攻撃を受けるたびに、参加プレーヤー全体が受け取る利益が減る仕組みを作り、②その仕組みによって価格競争に持ち込み、③資金力で同業者を倒産させ、④需要過多のマーケットを作る」という点にあります。

上記のような戦略ゲームは三国志の「魏」・「蜀」・「呉」みたいに参加するプレーヤーが複数いるゲームですから、同業者が連合を組んで来た時の対応策ももちろん考えておきましたが、手元の資金力では勝てると思い、この勝負にベット(賭け)しました。たとえば、自分がA国であれば、B国と協力してC国と戦うのか。あるいは、B国と協力してC国と戦っている間にB国が裏切ってB国・C国の連合軍となった場合、どのように戦うのか。B国に集中して攻めた場合、様子を見ていたC国がA国に攻めてきた場合、どう守るのか?このように、あらゆるケースを想定して、現在の軍隊(資金量)を「攻撃」と「防御」にどれくらいの配分で配置するのか?非常に奥が深いゲームを経験させてもらいました。

この内容は、今までのポートフォリオの「確率」のテーマからは少しズレますが、統計学の「検定」のわかりやすい例として実体験を載せてみました。タオルやシーツの枚数という一部のデータから相手プレーヤーの売り上げ全体と倒産確率を推測していく作業ですね。これは読者のみなさんも情報の非対称性のゲームに参加する時に使ってみてください。しかしまぁ商売ってホントに大変ですよ。

内装をキレイに仕上げたのも、相手のプレーヤーにとっての情報の非対称性を利用したわけですから、対戦プレーヤーたちのアンテナの感度が鈍かったわけですね。ちなみに、冒頭に書いた味噌汁の味見もこれと同じ考え方ですよ。

かなりナマナマしい話ですが、統計知識を実際の商取引で活用したという実話です。ゲームに勝つためには、「頭脳」を鍛えることも大事ですが、「資金配分」も十分に考えなければなりません。これはいずれ、トレード関連の項目で説明します。

 

では最後に、サッカーを例に考えてみましょうか。

 

サッカーには、「フォワード(FW:攻撃)」・「ミッドフィールダー(MF:攻撃・防御)」・「ディフェンス(DF:防御)」と「ゴールキーパー(GK:防御)」の属性を持つプレーヤー合計11人同士で行うゲームですね。このプレーヤーの属性もそれぞれの果たす役割分担がしっかりしていてポートフォリオの役割を果たしていることがわかると思います。

サッカーは対戦する相手チームによって戦略の組み方が違いますよね。攻撃力が強いチームと戦う時は保守的に守りを重点的に固めながら、相手のスキを伺いつつ、カウンター攻撃を狙います(例:プレーヤー全体のベンチマーク線=基準線の位置はハーフラインよりも相対的に自分チームのゴール側に近くする)。これに対して、攻撃力が弱いチームと戦う時には守りを固めながらも、積極的に攻撃を仕掛けて行きますよね(例:プレーヤー全体のベンチマーク線=基準線の位置はハーフラインよりも相対的に相手チームのゴール側に近くする)。

トレードの世界も同じように、マーケットは絶えず変化し続け、常に一定の形の波ではありません。現在のマーケットの状況に応じて組み込むポジション比率などは柔軟に組み変えていくべきだと考えます(詳しくは、【ロングショート型とレラティブバリュー型】参照)。

よく、「サヤ取り投資は両建て売買してマーケットに対してニュートラルポジションを組むから安心・安全な投資です」と言う方がいます。たしかに教科書的には正解かもしれませんが、実践ではこの考え方はたぶん必ずしも正解ではないと思います(詳しくは、【相関係数の弱点とβ値の重要性】【サヤ取り投資がうまく行かない理由①】参照)。私もトレード関連のブログではそのようなニュアンスで書きましたが、あくまでも理論的なもの。コラム関連のブログはどちらかというと実践的なもの。前者が建て前、後者が本音です。。。

 

さて、サッカーの話に戻りますが、べつに11人全員で一斉に攻撃を仕掛けてもいいですけど、相手にボール奪われて、カウンター攻撃(迎撃)喰らったら

 

 

 

 

 

誰がゴール守るんですか

 

 

いやいや、冷静に考えてみてくださいよ(個人的には観戦してみたいw)。ポートフォリオの考え方を完全に無視していますね、ゲームの例で言えば4人とも「格闘家」の属性でラスボスに対戦挑んでいるのと同じことね。。。

これは実はフルレバレッジ投資のたとえです。マーケットで言えば、ハイレバレッジを効かせて相場が思惑と逆の方向に動いてしまい、追証が払えずに退場を余儀なくされた経験をお持ちの方けっこういませんか?


不動産ローンはどうでしょう?わずかな頭金しか積まずにフラット35のローンとか勢いで組んで、金利が払えず返済に苦しんで物件を泣く泣く競売にかけられてしまった方まわりにいませんか?100万円の頭金で1億円の物件を買う行為は、レバレッジ100倍のポジションを35年間持ち続けるようなものではありませんか?(※もっとも充当金に充てることで元金はちょっとずつ減りますけどね)


レバレッジは本当に「諸刃の剣」と言いますか、うまく行けば、莫大な利益が得られる一方、思惑と逆の方向に動いてしまうと、莫大な損失につながるため、倍率のかけ方は慎重に決めてくださいね。言い換えれば、自分のさじ加減ひとつでボラティリティの大きさを自由に決められるわけですから、本当に注意が必要です。資金が少額の方でサヤ取りをされる方、自己責任でハイレバレッジかけてやってもいいけど、又裂きに遭ったら損失が莫大になってしまうのでくれぐれも気をつけてくださいな(詳細は【システム④】の1.参照)。

私も学生時代にハイレバレッジで株やFXのトレードをしていましたが、どんどん感覚がマヒしてきて、次第に恐怖を感じなくなってしまうんですよね~、これが(汗)

自転車で言えば、最初は補助輪つけて何とか乗れてたけど、いつの間にか二輪でバランスとって乗りこなせるようになると、調子に乗って運転がどんどん荒くなって行きませんか?

ほら、自動車もそうでしょ?運転免許取り立ての頃は初心者マークつけて「車道出るの怖いんですよ」と言ってたくせに、慣れてくると今度は、

 

 

 

 

 

オービスが怖い

って言い始めるでしょ?

 

このように、恐怖の対象が変わって感覚がマヒして行きますからね。

 

いちおう、このブログのコラムの部分は、私の実体験から得た経験談をけっこう赤裸々に書いています。読者のみなさんは、かつての私のようなバカなマネは絶対にやめてくださいね。

 

 

以上、長くなりましたが、こういったゲーム感覚というかコツを自分のモノにしていくことはトレードの世界ではもちろん、実社会でも非常に大事だと思うんですよね。私が思うに、勉強ばっかりやっていた優等生よりも、どちらかというとスポーツやTVゲームばっかりやって来た人間のほうがトレーダーの適正があると思うのですよ。

トレードってスポーツやTVゲームに似た感覚がありますからね。

 

たとえば、400mリレーでバトン受け取るときに、前の走者が「どのコース」を「どのくらいの速度」で走ってくるのかを直前まで見極めて、「どのタイミング」で自分が助走をかけ始めて前の走者と併走しつつ、「どのタイミング」で「どの位置」に手を出せば前の走者とスムーズにバトンの受け渡しができるのか?

また、その時に別の走者とぶつからないようにするためには、「どういったコース選択」をすべきなのか?

こういった感覚的な能力を体得するには、やっぱりある程度の経験を積んだ人間でないとコツが掴めないだろうし、教える側も理論だけでは十分にコツを伝えきれないと思うんですよ。

以前もブログに書きましたが、『「研究室で理論だけを完璧にマスターした先生方が現場でトレーダーになっても必ずしも良いパフォーマンスが上げられる」わけでもなく、かといって「現場で良いパフォーマンスを上げているトレーダーからすれば必ずしも理論通りにはいかないことも知っている」』わけですよ(詳細は【ブログタイトルを変更しました】参照)。

 

いかがでしょうか?

私の言いたいことが読者の方に少しでもうまく伝えられたらいいなぁと思って、イヤラシイ部分も可能なかぎり書いてみました。前回に続き、また長くなってしまいました。

 

 

結局、「考え方の本質」を説明したり理解するには、たとえ話を使ったほうがわかりやすいと思うんですよね。以上の内容を学生さんたちに話してみたら、実はそっちのほうがうまく伝わるということがわかりました。

自分以外の誰かにモノを教えるって本当に難しいと思う一方で、教えることの楽しさがようやくわかってきたような気がします。私は基本的に戦場のプレーヤーですけど、今後は教える仕事もしてみたいなと思うようになりました。

私も自分がしてきた事を学生さんたちに伝える機会を与えていただいた事によって、本当に貴重な体験をさせてもらっているなぁと実感します(あんまりお給料もらえないけどw)。

 

モノを教える順序は、

まず「身近なたとえ話を使って考え方の本質=「基礎の部分」をわかりやすく説明する」。

次に、「考え方の本質=「基礎の部分」をしっかり強固なものとして、その土台の上に成り立つ応用の部分を説明する」。

3番目に、「応用から派生する難しい部分を説明する」。

最後に、「自分の説明を徹底的に批判してもらって、間違いや矛盾点を素直に軌道修正する」。

こういった順序で話を進めたほうが、

①情報の受け手は理解がブレないし、②しっかりとした土台の上に応用を効かせる技術が身に付く」、ということが私自身とても勉強になりました。木に例えるなら、「根」→「幹」→「枝」→「葉」のようなイメージでしょうか。このブログも最初からそうすればよかったな。。。

 

まぁともかく、これでまたひとつ経験値を積むことができましたv

結局、このコラムを通して私が読者のみなさんに伝えたかったことは、

 

RPGの「戦士・空手家」と「黒魔術師・白魔術師

・サッカーの「フォワード」と「ディフェンス

・会社の「営業担当」と「コールセンターのオペレーター

そして、

・サヤ取り投資の「買い玉」と「売り玉

 

一見すると、どれも姿・形は違うけれども、ポートフォリオの観点から見れば、どの組み合わせも自分に無い能力を相互に補完し合っていますよね。

つまり、「考え方の本質」はどれも同じということ。

これが言いたかったわけです。

なお、追記として、ポートフォリオは【(左の項目+右の項目)÷2】を計算してみて、なるべく「ベンチマーク=平均値」に近似するように設計するのが最も理想的である、と考えられます

以上

 

[1] 独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)の定める「独占的状態の要件」は、次の諸点が必要です(法第2(7))。

(1) 国内総供給価額要件

 同種の商品、役務の価額が、年間1,000億円を超える

(2) 市場占拠率要件

 上位1社で50%超、又は上位2社で75%

(3) (4)省略

以上により、私のとった営業戦略は下線部の要件を満たしていないため、独占禁止法に抵触するものではない、と考えられます。

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