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2014年2月 2日 (日)

【システムについてのお話 その④】

 

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この記事の位置付けは、【ロングショート⑥】の補足事項となります。なお、【ロングショート⑥】は【ロングショート⑤】を計算式に変換したものとなります。

この記事に興味を持たれましたら、【ロングショート⑤】→【ロングショート⑥】→この記事の順番で読んでいただければ理解が深まると思います。

 

 

【ステップ4:投資適格ペアを決定する】

 

 

1. 投資金額を決める


∟ 「 x円 < z { (ロング銘柄の現在株価×株数)+(ショート銘柄の現在株価×株数) } ≦ y

 

→ (例)y50, y70 など

 

取引する銘柄ペアは、なるべく等価金額にして30セット以上のポートフォリオを組むとよいだろう。その理由として、ひとつの銘柄ペアが想定の範囲を遥かに上回る事態に遭遇してしまった場合、ポートフォリオ全体が、被害を受けた銘柄ペアに対してヘッジの役割を果たしてくれる効果を期待できる。これにより、ポートフォリオ全体の利益を全て吐き出してでも、問題の起きた銘柄ペアの損失をポートフォリオ全体でカバーしてくれるようなポジションを組む必要があると考える。

わかりやすく最近の例をあげて説明すると、2011311日の東日本大震災の際、東京電力(9501)をロングしていたサヤ取り投資家の多くは、株価が90%以上下落し、取り返しがつかないような甚大な被害を被った投資家が見られた。おそらくショートで組み合わせていたと思われる中部電力(9502関西電力(9503の下落比率に対して、ロングしていた東京電力(9501)の下落比率が遥かに大きすぎてショートポジションが、ロングしていた東京電力(9501)に対して、ヘッジの役割を十分に果たせなかったと思われる。

このように突発的に起こる「自然災害は予測ができない」ため、十分な事前対策が必要である。嵐はいつやって来るかわからないのだから。

ロングショート⑤】でも説明したが、23銘柄ペア程度でポートフォリオを組んでサヤ取りを行った気分になったところで、残念ながら十分な分散効果は期待できない。よく、「買い」と「売り」を同時に両建てしてサヤ取りをやっています、という個人投資家がいるが、はっきり本音を言わせていただくと、残念ながら分散投資の有意性がわかっていないと思う。「買い」と「売り」を同時に両建てするから安全なのではない。ここで本当に大事なことは、「買い銘柄グループ」と「売り銘柄グループ」を同時に両建てし、なおかつ、いざという時に個々の銘柄ペアの一方の銘柄の損失が他方の銘柄の収益でカバーしきれないような想定外の損失に対しても、ポートフォリオ全体がカバードヘッジしてくれるようなポジションを組むことにより比較的安全な投資が期待できるのだ、ということ。

ポートフォリオ投資は、もともと資金量が豊富な投資家が「資金を増やす」のではなく「資金を減らさない」ように「着実に増やす」目的で設計された保守的な運用戦略である。ロングショート戦略もしかり。これから実践しようとする方がいれば、「両建てするから安全な投資法である」といった安易な考え方は絶対にやめてほしい。

たとえば資金300万円で3銘柄ペアの等価金額でポートフォリオを組んだ場合、1つの銘柄ペアは100万円のポジションサイズとなり、ポートフォリオ全体から見ると33%のポジション比率に該当する。そのうちの1つの100万円の銘柄ペアが20万円の含み損になった場合、残された2つのポジションで10万円ずつ利益を出しておかないと、カバードヘッジが効かないことになる。すなわち、一方のポジションに対して、他方のポジションがヘッジの効果を果たせない場合もあるので、その場合はポジション全体で個別のポジションをカバーするようにポートフォリオ設計を考える必要がある。

このように、分散投資の有意性を十分に享受するには、最低でも30銘柄ペア以上に等価分散して損益曲線がなだらかに推移するようなポートフォリオを設計するのが望ましい。投資する銘柄ペアが少なすぎると損益曲線が荒くなりすぎてしまい、ポートフォリオの質が低下してしまうので注意のこと。

 

 

2. 「価格差(サヤ幅)」の変動率を決める


∟ 「 x% < z { (「価格差(サヤ幅)」の過去n日間の最大値 「価格差(サヤ幅)」の過去n日間の最安値) ÷ 「価格差(サヤ幅)」の過去n日間の最小値 × 100 [] } ≦ y


→ (例)y5, y10 など

→ (例)n120, n240 など

 

yの数値が小さければ小さいほど精度が高いため、適格であるといえる。ただし、小さすぎるとスクリーニングの際、フィルターを通過できる銘柄ペアが少なくなってしまうので注意。一般的に10%程度が妥協できる最低ラインと思われる。

 

 

3. 「価格差(サヤ幅)」の不均衡率を決める


∟ 「 z { (過去n日間の「価格差(サヤ幅)」の移動平均 ÷ 合計取引金額)× 100 [] } ≦ y


→ (例)y5, y10 など

→ (例)n120, n240 など

 

yの数値が小さければ小さいほど精度が高いため、適格であるといえる。ただし、小さすぎるとスクリーニングの際、フィルターを通過できる銘柄ペアが少なくなってしまうので注意。一般的に10%程度が妥協できる最低ラインと思われる。

 

 

4. 標準偏差σ±nを超えた銘柄ペアのみを抽出する


∟ 「 σx < z { ((銘柄B ÷ 銘柄A 過去n日の価格差の平均値) ÷ 標準偏差 }

 

→ (例)y1.5, y2, y3 など

 

 

4-1. 過去n日の価格差(サヤ幅)が最大値に到達した銘柄ペアのみを抽出する


∟ 「 x < z {「価格差(サヤ幅)」の過去n日間の最大値 }


→ (例)n120, n240 など

 

 

4-2. 過去n日の価格差(サヤ幅)の周期性を分析する


∟ 「 z { f (x) = a_0 + _( n = 1 )^▒( a_n cos nπx ÷ L ) + b_n sin nπx ÷ L }

 

「価格差(サヤ幅)」の周期性は、場帳を用いてグラフ化すると視覚的にサヤのうねりや周期性を見ることができる。同じようなパターンで一定のレンジ内を行ったり来たりする銘柄ペアがサヤ取りでは望ましい。

個々の銘柄ペアを分析すると、半年ごとに大きなうねりを描いているペアもあれば、3か月ごとにうねりを描いているペアもあれば、1か月ごとに小刻みにボリンジャーバンドのσ1あたりを行き来しているペアもある。さらに、大きなうねりを描いているペアでも、短期間では小刻みに行き来しつつも、半年ごとに大きなうねりを描いていたりもする。

上記のような「価格差(サヤ)」の周期性のパターンを時系列の波としてとらえ、解析していく方法をフーリエ解析(フーリエ変換)と呼ぶ。

通常、時系列分析には移動平均線や回帰直線が使われるが、そこには必ず「遅延」や「誤差」の問題が生じることになる。このような欠点を補う方法として、フーリエ変換を併用することにより、実質的に「遅延」や「誤差」の無い近似値が得られ、精度の高い分析をすることが期待できる(実質的としたのは少なくとも周波数成分に従う誤差は生じるため)。

スペクトルを解析し、たとえば周波成分にn日の周期性を持つ強い波(パワースペクトル)が入っているとすれば、n日ごとに行き来しているような銘柄ペアであるという仮説を立てることができる。そのn日の波を持つ銘柄ペアをポートフォリオ化していけば、かなり質の高いポートフォリオを組むことが期待できるだろう。

このように、フーリエ変換を用いることにより、株価の周期性とそのおおよその日数について見つけることが可能となる。フーリエ変換は、比較的周期の短いデータの時系列分析をする際に非常に有効になると考えられる。

サヤ取りはもちろんのこと、アクティブ投資でも株主優待や配当金などのインカムゲインを狙いつつ、キャピタルゲインを同時に狙う投資家も多いことと思う。そのような場合、過去一定期間の周期性を分析し、ポジションを建てた日から期日まで周期性に合わせて、保有しているポジションサイズに合わせて適宜カバードショートしながら、ポジションをマーケットの変動リスクからカバーしていく、といった使い方も有効と考えられる(なお、この場合はカバードショートする側は、理想は同じ銘柄のほうがいいのですが、TOPIXや日経225の先物や連動型のETFなどを用いたほうがよいと思います。理由は、配当金狙いで「売り」と「買い」を両建てする投資家が増えると株式が品薄状態になり「逆日歩」>「配当金」となってしまいかねませんからね。これでは本末転倒ですwさらに、ボラティリティが極端に大きすぎる銘柄だと、今度は市場平均値を取るTOPIX日経225などのショート銘柄に対してボラティリティニュートラルが期待できないのでポジションの取り方は工夫してみてくださいね → TOPIXや日経225などのいわゆるINDEX銘柄は個別銘柄に対して市場平均値をとるため、相対的に値動きが緩やかになります)。参考まで。

 

 

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