« 【システムについてのお話 その④】 | トップページ | コラム その⑦【RPGを使ってポートフォリオの本質を考えてみる】 »

2014年2月 9日 (日)

コラム その⑥【期待値が高いと満足度は低下する~うまい話にはウラがある~】

 

まず、はっきり言いますが、儲かる話は基本的にヒトには教えません。

 

世の中甘くないですからね、マジで。

 

私もうんざりするほど営業電話がかかってきます。

 

ふぅやれやれ。

 

 

【うまい話にご用心!】

 345_0803

 出典:「府政だよりNO.345(平成22年3月7日号)


ベンチャー企業の経営者の友人から短期融資の案件が来ているのですが、1億円程度ご融資いただけませんか?借用書は取締役全員の連帯保証付きで借用書をまとめるのでいかがでしょうか?期限は1か月程度で支払いは10%の利息を予定してします。ですから1,000万円の予定利益ですね。なお、領収書を切る関係で申告はご自身でしていただくことになります。それから、私が仲介料として20%くらいいただけたら嬉しいのですが。ご検討お願いいたします。

 

みかぶ(未公開株)の話なんですが、お付き合いでいかがですか?一口30万円で特別にお譲りしますよ。ユーディーさんだったら100株くらい特別にお譲りするので3,000万円。どうです、安いでしょ?ただ、問題は上場までに2年くらいかかる予定ですから、短期の話ではないですけどね。株価は現在のペースで会社の規模が大きくなると想定して、上場初値で売り抜ければ最低でも2.5倍くらいは堅いかと思います。だから7,500万円くらいを見ていただければと思います。2年で4,500万円の利益だからまぁ悪くないでしょ?ご検討お願いいたします。

 

近々、大手製薬会社とベンチャー製薬会社が資本提携するんですよ。今まで技術力こそあれ、十分な販売ルートを持っていなかったベンチャー企業が第三者割当増資によって大手製薬会社が株式を大量に保有することになります。実質、子会社化するということです。さらに、ベンチャー企業側は臨床試験をクリアしたばかりの新薬の認可発表が重なります。さすがに銘柄は教えられないですが、短期間の余剰資金の運用としては5倍くらいになると思うので遊び感覚で3,000万円程度いかがでしょうか?発表と同時に売却すれば12千万円程度の利益ですが悪くないでしょ。問題は流動性のほとんど無い銘柄なのですが、発表時は買い注文によって需要が膨らむので流動性も十分確保できますし。銘柄?えー、言えないですよ。だって銘柄教えたらユーディーさん成り行きで買い込んで価格吊り上げるでしょ?(笑)

 

そうそう、ご存じですか?最近、マカオの○○ホテルがカジノの所有権を分譲したんですよ。ホテル側が51%の出資比率で、残り49%を個人投資家向けに分譲販売を開始したんです。最低出資額は25億円くらいだったと思います。利益の源泉はカジノの収益のx%のうち出資比率に応じて支払われます。それからオーナー特権として、スイートルームは永久利用できます。これが写真です。そうそう、△△さん(某タレント)ご存じですよね?あの方もオーナーになりました。何でも愛人が支払ったみたいですよ、まったくいいご身分ですよね~。どうでしょう?この案件は特別に手数料5%でけっこうですよ。

 

はいはい。

 

うっかりすると営業トークの巧妙さに全身全霊引きずりこまれてしまいそうですが(笑)

 

たしかに、「うまい話」は玉石混交で、わずかにホンモノも混じっているわけです。だから厄介な存在なのです。その意味では先入観だけで、完全に「肯定」も「否定」もできないのは事実です。

それでは、あなたは玉石混交の情報の中から、100%のうち99%のニセモノと1%のホンモノを正しくスクリーニングできますか?

私は自分の身の程をよくわきまえているつもりです。私にはとてもできません。だから一切やりません(そもそもそんな遊びに付き合うほどのお金ありませんよw)。時々、胸が躍るような投資話を持ち掛けられますが、私のような「一般庶民」にそんなうまい話が来るとも思えませんからね。

私は基本的に、お金と引き換えにもらう借用書の価値は等価のあるいはそれ以上の価値を持つ紙切れだとはとうてい思っていません。まぁ、せいぜいケツのまわりキレイに拭いて終わりですよ(笑)。

だから投資は、自己の責任の範囲内でやることにしています。

 

よく、事業で儲かったから、ヘッジファンドに投資して安心・安全な高利回りの商品を探し求めている方をお見かけしますが、残念ながらあなた程度のところには、そんな話は巡ってきません。本当にいい商品は、すでに順番待ちになっていて、あなたの前にはあなたよりもさらにお金持ちのヒトたちが投資しようと、列を作ってズラーっと並んでいます。一般的に投資できるヘッジファンドはせいぜいどこにでもある石ころのように転がっているものばかりでしょう。

そもそもヘッジファンドに投資することは本当に安心・安全でしょうか?ヘッジファンドの名前を冠したファンドは世界中にどのくらいあるのかご存じでしょうか?そして何社が創業以来、安定した利益を出し続けていますか?また毎年、何社が廃業していますか?

ヘッジファンド投資が安心・安全な高利回りの商品であるならば、「資金を保全しながら少しずつ着実に増やすこと」を目的としている、富裕層のファミリーオフィスや企業年金などの運用担当者が、全額をヘッジファンドに運用を委託しないのはどうしてなのでしょうか?

「ヘッジファンド」と聞くとなんだかとても儲かりそうなイメージかもしれませんが、イメージだけで物事を安易に判断するのは非常に危険です。

 

私も自分で投資会社やったり、繁華街で飲食店やホテルの商売始めてからは、それはそれは多種多様な方々に出会いましたけど、私もまだまだ若輩者ですし、世間知らずだなーと痛感することばかりです。まぁ、唯一の例外としては、親友からの情報に関しては信用するようにしています。もちろん、私に話を振ってくれた親友自身が騙されていないかどうか一緒に調査しますけどね。

なかなか「うまい話」はないですよ。

 

ということで「うまい話にはご用心!」ということですね。

 

ふぅやれやれ。

 

 

【富裕層とプチ富裕層】

 

 

インドの富裕層はゴルフに行くときはボロボロのシャツを着て行くのだそうです。いいシャツ着ていると山賊が襲ってくるそうです(笑)日本はつくづく平和な国ですね♪

 

一般的に【富裕層】と呼ばれるヒトたちは、自分の意思決定力をしっかり持っていて、経済的合理性に基づいて物事を論理的に判断していきます。「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どのように」やるのか、その結果として「どうなるのか」。「メリットとデメリットは何か?」「リスクに対してリターンはどのくらい見込めるのか?」「事業計画書はあるのか?」「数値データはあるのか?」「数値データに確たる根拠はあるのか?etc…

むしろ、このように判断できなければそもそも富裕層にはなれないし、運良くなれたとしても、あっという間に詐欺に引っかかって奈落の底に落ちてしまいますからね。

だから「彼ら」は人脈をとても大事にします。(「彼ら」としたのは、私は富裕層ではないからね。早く「私たち」と書けるようにがんばりますよ、はいはい。)彼らの特徴は、「何を買うか」「どこで買うか」ではなく、「誰から買うか」という事を非常に重視する傾向が強いように思います。

また、彼らが投資家として資金を提供する際にも、「何をやらせるか」はもちろん大事ですが、それ以上に「誰にやらせるか」、さらに言えば「どんなチームに運営を任せるか」ということを非常に重視している傾向が強いように思います。

彼らはすでに優秀なビジネスパートナーを有していて、「誰に」「何を」「どのタイミングで」頼めばいいのかを把握しています。富裕層の周りにはやはり富裕層の友人がいて、彼らの周りをさらに専門家である優秀なビジネスパートナーたちが囲っています。だから孤独な富裕層はあまり見かけません。

私も社会に出てからわかったのですが、彼ら―富裕層と呼ばれるヒトたち―は、互いに見えない鎖でつながっています。だから「金持ちケンカせず」という言葉があるのでしょう、たぶんね。

このように、富裕層に近づく情報のほとんどは専門家である優秀なビジネスパートナーたちによって厳密にスクリーニングされ、詐欺師はなかなか近づくことができません。

 

これに対して【プチ富裕層】と呼ばれるヒトたちは、自分たちが裕福でありつつも、どこか心が満たされていません。世間一般のヒトたちよりは収入はあるけれども、かといって大金持ちでもない、いわゆる小金持ち。高収入によって「物質面」は満たされているけれども、なんとなく「精神面」が満たされていないヒトたち。

彼らの周りには富裕層の友人もいなくて、相談できる優秀なビジネスパートナーもいません。逆に、たいしたことのない人脈がたくさんいたりします。彼らはお金の使い方を考えるとき、非常に孤独です。だから、適格にアドバイスしてくれる専門家がいないため、寄ってくる情報に安易に乗った結果、詐欺被害に遭ってしまったり、雑誌やネットでの情報収集につい依存してしまうのだと思います。

「勝率100%の投資術」のような誇大広告に騙されて、数十万円商品を買って大儲けどころか大損失を被ってしまったというヒトたち、こういうヒトけっこういますよね。

これはある種のコンプレックスを反映した結果だとも思うのですが、数十万円もするブランド物のバッグが飛ぶように売れたり、数千万円もする輸入関税たっぷりの外国製の高級車が街を走っているのは、富裕層に少しでも近づきたいという劣性意識の表れではないかと思います。言い換えれば、「物質面」を満たすことによって「精神面」をカバーしつつ、街に出るときにわずかながらの自己顕示欲を満たすためのガラクタを購入し続けるわけですよ(笑)

 

「最近ベンツを買ったんですよ。減価償却で4年落ちは2年で落とせますからね、いや、うまく行けば税務担当者によっては1年で認めてくれるかもしれないな。この度、節税対策も兼ねて買ってしまったんですよ、ははは。それに、やっぱり経営者たる者、万が一事故にでも遭ったらしばらく商売できなくなりますからね。体が資本といいますか、やっぱりドイツ車はいいですよ。頑丈ですしね、いざという時に体を守ってくれますから。ほら、リスクヘッジというやつですよ。やっぱり体が資本、体が資本ですよ。」

 

これは建て前...

 

「私は実業家。事業がんばってお金持ちになった。わーいわーいヾ(^^)ノほらみんな見てくださーい。わたしはお金持ち。ほらベンツ乗ってるよ。あっ、ベンツってわかるかな、左ハンドルの高級な車ね。さぁて、見せびらかしに街に出かけよっかなー。おっ!信号が赤になったぞ。横断歩道を渡るヒトがこっち見てるな。チッ、しょーがねーなー、特別に窓全開にしちゃおうかな、ほら見て見てー。私はお金持ちv(^^)v

 

これが本音...

 

ということで、ブランド品のマーケティング戦略がアプローチする対象は、【富裕層】の『財布の中』ではなく、富裕層っぽく見られたいと願う【プチ富裕層】の『コンプレックス』と『自己顕示欲』だったりするわけですよね。この部分の心理をいかに巧妙に埋めるのかが、彼らの商売の基本ですからね。彼らは【富裕層】に憧れを抱く一方で、「理想」と「現実」の狭間でジレンマを感じており、「嫉妬」や「妬み」を持っています。富裕層ビジネスは、この心理にアプローチをかけるわけですね。

 

そもそも富裕層ってじつはあまりお金使わないし、現金をあまり持っていなかったりします。彼らは自分の利益の源泉が「社会経済そのもの」にあることをよくわかっています。だから、「自社の株式」や「不動産」といった実物の資産がホンモノであることをよく理解していて、資産に対する現金比率はじつは想像以上に少なかったりします。

彼らは本当に地味というか、ロクにバッグさえ持たずにデパートの紙袋とか持って平気で移動しますからね。たぶん車で移動するから雨にも濡れず、紙袋で十分なのでしょうけれど。

さらには、昼食は牛丼や立ち食いそば、どの時間に混雑しているかわかるので、ピーク時間帯は避けて行動します。また、旅行に行くときは旅行代理店で格安チケット探しに精を出します、どのシーズンのどの日程が最も安く目的地まで移動できるのかを把握するためです。

なお余談ですが、デパートの売り上げのほとんどは外商と呼ばれる富裕層の専門ブースで行われます。外商部のヒトたちは口を揃えて言います、「当デパートの本当のお客様は混雑している週末には絶対にやって来ません、お客様は平日のお昼に散歩がてらに立ち寄ってくださいます」、と。

彼らはモノの本質をよくわかっているというか、バッグは「モノを運べればいい、底が丈夫で機能性が高いバッグをください」、車は「移動できればいい、燃費のいい車をください」といったように、非常にドライで現実的な考えを持った方が多いように思います。

考えてみれば、富裕層は周囲が富裕層であることをすでに知っているので、粗利たっぷりのブランド品を見せつけてわざわざリア充アピール活動に精を出す必要がありませんからね。

 

富裕層」と「プチ富裕層」。お金持ち入門者は次のステップまでが遠いようですね。

 

ふぅやれやれ。

 

 

【タダより安いモノはない】

 

 

「うまい話」には必ずといって言いほどウラがあります。

 

相手の言おうとしている行間を読まないとね、簡単に引っかかりますよ。情報を受け取ったときに、一度冷静になって、「そのヒトは自分に話すことによってどんなメリットがあるのかな?」と冷静に考えてみる必要があると思います。

えっ、そうでしょ? メリットがあるから誰かに話すわけですよね。以下に、金融業界にかぎってざっくりまとめてみます。


Watadama019

出典:「金融広報委員会(第19話 投資詐欺被害の救済を装う詐欺

 

①「証券営業

まず、最も多いのが「証券営業」。これは彼らの生命線だから株式や投資信託を売らないと商売にならないわけ。手数料を稼がないと自分たちの収入源がありませんからね。このカテゴリーには証券会社の営業以外にも、銀行の支店営業、ファイナンシャルプランナーなども含まれます。

 

②「投資顧問会社

次に、「投資顧問会社」。これもお客さんからの会費でご飯食べてるヒトたちだから、お客さんが契約し続けてくれないと商売にならないわけ。会費を稼がないと自分たちの収入源がありませんからね。さらに、悪質な投資顧問の場合、自社で推奨した銘柄をすでに買っていて、会員さんにそれを買わせることによって、会員さんが買って値上りしたところで、自社で予め買い持ちしていた株式を売り玉としてぶつければ値上りした差額も利益になりますからね(これは「フロントランニング」と呼ばれる行為で、証券取引法で禁止されています)。

 

③「投資支援業者

3番目に、「投資支援業者」。これもお客さんからの会費でご飯食べてるヒトたちだから、お客さんが契約し続けてくれないと商売にならないわけ。会費を稼がないと自分たちの収入源がありませんからね。「投資顧問会社」と似ているけれども、決定的に異なる点は具体的な「銘柄・商品」の推奨をしないところ。だからスクリーニング処理機能や株価分析機能などの枠組みだけを販売、あるいはレンタルして収益を上げるのが彼らのビジネスモデル。私も、開発しているソフトウェアが納得できるレベルに仕上がったら、参入を検討しています。テスト用サーバーと優秀な頭脳を貸してくださる学術機関の先生方いらっしゃいましたら、ぜひ声かけてくださいね。巧妙なステマを兼ねてさりげなく宣伝しときます、はい。

 

④「詐欺師

そして最後に、「詐欺師」。これは金融業界にかぎらず、どの分野でも一定数いると思うのですが、相手を騙してご飯食べてるヒトたちだから、カモを探してお金をむしり取らなければならないわけ。カモがいなくなると自分たちの収入源がありませんからね。

私の経験上、この世界の方々はホテル住まいの方が多いような気がします。豪華なホテルのバーで夜景を眺めながら商談をする。東京・香港・シンガポールetc…まぁ、世界中どこでもそうですが、彼らの話を聞いていると、見事なトークの言い回しに景観の美しさも加わって、本当にうっとりとした気分になります。『ホテル住まい』とは、なんと優雅な響きでしょうか。彼らはひと仕事終わったら、盛大にシャンパンでも空けて、美女たちと過激に戯れた後、さっさと別のホテルに拠点を移し、跡形もなく姿を消してしまいます。

最近だと、日本で有名な事件としては、AIJ投資顧問による「年金消失事件」が有名ですね、私がニュースを見て呆れたのは、企業年金の「運用担当」がなんと元証券会社の「営業担当」だったこと( ̄∇ ̄;)オイオイ。「運用部」と「営業部」は同じ証券会社でも業務内容が全然違いますからね。

なお、少し前だとLG社による「疑似通貨“円天”による詐欺疑惑」や、友部達夫元参議院議員の政治団体による「オレンジ共済組合事件」などが有名どころでしょうか。お客さんのお金、遊興費に使っちゃたんだからたまんないですよね。

 

以上、大きく4つにまとめましたが、じつは「詐欺師」の定義は難しく、「顧客に損失を与える行為=詐欺行為」とは定義できないところが非常に厄介です。顧客を欺いて手に入れたお金を遊興費に充てるのはもはや論外で、詐欺師以外の何者でもありません。刑法246条では、「1人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。2、前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。」と規程されており、上記の構成要件を満たしていますね。

でも次のようなケースはどうでしょう?

たとえば、証券営業や投資顧問の場合は十分に上がる可能性の高い銘柄を推奨したところで、結果的に顧客に損失を与えてしまうこともありますし、ファンドマネージャーだって期待通りのパフォーマンスを上げようとしても、結果として顧客の資産を目減りさせてしまうことはよくありますからね。

上記のような行為は詐欺に該当するものではなく、彼らを信託した(信じて託した)投資家の自己責任です。利益が出たときは恩恵を受ける権利があるのですから、損失が出たときは自己の範囲内で責任を負うのは当然です。「権利」と「義務」は常に表裏一体の関係です。

私が言いたいのはそこではなくて、「詐欺師」というのは、最後のカテゴリーで分類できるわけではなくて、上記3つのカテゴリーに含まれているということです。

金融取引の世界は結局のところ、結果が全て、「数字」=「人格」という非常にシビアな世界ですから、うまくパフォーマンスを出せれば「英雄」にもなれるし、パフォーマンスが出せなければ「詐欺師」のように扱われてしまう傾向が強いように思います。そういった意味で、業界全体のイメージが良くないことはたしかです。

私が言いたいのは、「証券営業」や「投資顧問」の営業行為そのものが必ずしも悪いと言っているのではなくて、こういったヒトたちの中に、一定数の「詐欺師」が紛れ込んでいるので注意してくださいね、ということです。

①「大手企業の名刺を信用して未公開株を取得するためにタンス預金を渡したものの、営業担当が消息不明になった。実は、未公開株の話は営業担当がでっち上げた架空の話であった。

②「投資顧問の勧誘を受けて過去一定期間のパフォーマンスが良かったので契約をしたが、言われるままに売買したところ大損してしまった。実は、パフォーマンスの良いデータのみを提示し、悪いデータは公表していなかった。

③「投資支援業者のホームページを見て、過去5年間勝率100%のソフトを見つけた。体験者の声も儲かってそうなコメントが書いてあるし、億万長者になったら何を買いますか?という文言の下に真っ赤なフェラーリやパテックフィリップの時計の画像が貼ってあったので、ついつい購入してしまった。実は、体験者の声はサイトの製作者が自分で考えたもので写真はネットから拾ってきた画像を加工したものだった。さらにソフトは損切しなければ負けないから、買ったらそのまま利益が出るまで持ち続けましょうというだけの内容だった。

③はどう見ても引っかかるほうがおかしいと思いますが(笑)、①②は情報の非対称性が巧妙すぎて判断が難しいところですね。

 

なお、上記「証券営業」「投資顧問会社」「投資支援会社」「詐欺師4つを並列させるのは誤解を招くことは十分承知しているのですが、「情報の発信者」という意味で並べることにしました。業界関係者の方読まれてらっしゃったら、すいませんね。

ただ、私は現場のプレーヤーですから、外野席から直接的なリスクも取らずにエラそうにモノを言ってるだけの人間はあまり好きではないんですよ(但しトレーダー経験者は除く)。すいませんね。

 

ともかく、話を振ってくるヒトがいたら少しだけ相手から距離を置いて冷静に考えてみましょう。タダで情報を提供してくれるお人好しは世の中広しと言えども、そうそういませんよ。①「単に手数料を稼ぐためにあなたに商談を持ち掛けている」のか、あるいは②「本当に稼がせてアガリの一部が欲しい」のか、それとも③「あなたの資金そのものを狙っている」のか。このあたり、判断が非常に難しいところですが。

タダで情報がもらえるからと調子に乗っていると、気づかないうちに高いモノを買わされていることありますからね。

 

結局、「タダより安いものはない」ということですね。

 

ふぅやれやれ。

 

 

【営業と詐欺の間を考えてみる】

 

 

本当にいい商品であれば、売り手から常時アプローチし続けなくても顧客は商品の価値を理解して、勝手に継続申込みをするはずです。そこまで顧客に常時アプローチし続けるマーケティング手法は「売る側の焦り」と解釈してしまうのは私の視点がナナメ過ぎるだけでしょうか?

もっとも行動心理学上、「接触回数が増えると、好感度は比例して高まる傾向にある」という臨床データもあるようですから、顧客がモノを買うまでの理屈と順序、そして財布からお金を出すまでの行動心理を計算して巧妙にアプローチするのが優秀な営業マンということでしょうかね。

みなさんもしつこく勧誘されたり、メールボックスに大量のメールが届いてウンザリした経験ありませんか?

 

まず、こんな営業トークはどうでしょう?

 

メルマガに登録すれば有益な情報をあなたにお届けします。今すぐご登録を!

 

これはネットでよくある営業パターンですが、メルマガ発行の真の目的は顧客データの収集と潜在顧客に商品を売るためによく使われます。メルマガはいわゆる「フロント商材」と呼ばれるもの。「登録することによってタダで豪華特典をプレゼントしますよ」、というサイトもあります。読者に「タダでもらえるんだ、すごいすごーい!」というお得感を与えて、登録させる方法です。

どういうことかというと、いきなり高額な商品を売ってしまうと怪しまれてしまうので、まずはフロント商材であるメルマガや音声ダウンロードなどの特典を使ってお客さんをひっかけます。次に引っかかったカモに「バック商材を売りつける」ために「バック商材を購入させる」ための教育を施していきます。

さて、メルマガを登録した途端にステップメールという見事な営業トークが始まります。ステップメールはだいたい「」→「」→「」→「」バッチリの論理構造で構成されています。これを読んだ読者が「」のメールを読むころには完全にクロージングが完了しています。気を付けて読まないと、ついつい購入ボタンをクリックして契約をしてしまうでしょう。この瞬間に「読者」に過ぎなかったあなたは、晴れて「お客様」に格上げとなるわけです。めでたしめでたし、と。

 

次に、こんな営業トークはどうでしょう?

 

借金○○円の地獄から這い上がった私の△△投資法」「時給○○円フリーターのボクでもできた△△投資法

 

いやいや、さすがに怪しいですが、これけっこう引っかかるヒトいませんか?

私もいろんなサイトのセールス文章読んで、どうしてこういう書き方するのかなぁといろいろ研究してみました。これって実は、他人よりも優位でありたいと願う人間の自己実現欲求に向かってダイレクトにアプローチをかけています。自分を見下してくださいと言わんばかりの「謙虚な言い回し」とは対照的に、さりげなく「あなたよりも稼いでいますが。。。」という事実(?)を文章に入れることによって、読者に心理的なジレンマを与えて揺さぶりをかけるわけです。

「こんな冴えないヤツでもできたのか、それなら自分にもできるはず!」「こいつなんかに負けてたまるかよ、自分はコイツなんかよりも上にいなければならない人間なんだよ!」

意外とこの手の営業トークに引っかかるのは、いわゆる高学歴のヒトに多い気がします。プライド高いヒト多いですからね、そこにアプローチをかけるわけですよ。名刺交換した瞬間にいきなり出身大学の話をし始めたり、過去の栄光にしがみついているような、いわゆる人生の最盛期を過ぎたことは自分では薄々感づいているものの、その事実を受け入れられずに、「どうやって心理的不満を解消してよいかわからない」というジレンマをお持ちの方がいればくれぐれもご注意を!

同じように、「この商品を購入したあなたはお目が高い。世間一般の凡人どもにはこの価値がわからないでしょうね。かわいそうに。でも、あなたはさすがです、見事に気づくことができました。おめでとうございます、あなたは真の選ばれたヒトです。」これはもうたまりませんね。プライドをくすぐりつつ、何と言っても「選民意識」が芽生えますからね。何と!あなたは商品を購入するだけで「選ばれた民」となれるようです(笑)

ついでに言っておくと、プライドが高いヒトの「プライド」はたぶん本来の意味を履き違えています。プライドとは「誇り」という意味です。こんな営業トークに自尊心を揺さぶられてしまうようでは、あなたはたぶんネギを背負ったカモです(笑)。多くのヒトが定義するプライドは「誇り」などではなく、自らの心の脆さを映し出した「虚栄心」ではありませんか?大丈夫でしょうか?自分以外の「誰かを見下す行為」は、同時に「誰かを崇め奉る行為」と上下の振れ幅は等しくなります。しょせん人間なんてパンツ脱いで素っ裸になれば、みんな大して変わんないですから。素敵な勘違いはほどほどにしましょうね。

 

最後に、少し視点を変えてこんな営業トークはどうでしょう?

 

当商品は複利運用で資産の増大を目指します。年利20%で運用します。100万円で資産運用を開始すると、1年後は120万円、2年後は144万円、10年後は1070万円、20年後は4600万円、25年後に11,500万円、30年後に28,500万円。今、あなたは30代ですよね、定年退職する30年後には年金も大して期待できませんよね?また、国家破産したら年金そのものも支給されなくなりますよね?老後の資金には最低でも8,000万円が必要と言われています。今の生活水準で足りますか?足りませんよね?どうでしょう?今すぐ私たちに100万円だけでも資金を託してみませんか?

 

上記の営業トークは論理展開が完璧です。まず、「30年後の具体的金額」によって「得られるものの大きさ」を提示し、次に「年金問題や国家破産の社会問題を引き合いに出す」ことで「将来の不安的要素」を提示し、最後に「今の自分の現状と30年後の自分とのギャップをイメージさせる」ことで「現状と未来の期待値をつなぐ手段」としてクロージングをかける営業トークです。論理展開が見事ですねw

そりゃあ年利20%ベースで30年間複利運用すれば「理論上」はそうなりますけど、実際にキレイに年利20%で資金を運用できる人間がいたらはっきり言って天才ですよ、マジで(笑)20%とかこういうキリのいい数字は、私の経験上、どうも注意が必要というか、怪しい匂いがプンプンします。実際にトレードをやっている立場の人間から言わせてもらうと、継続して年利20%出すってけっこう大変です。もちろん運用する資金量にもよるのでしょうが、年利13%~18%くらいがいいところですよ。

えっ、私のトレードが下手くそなだけw?

これはリスクとリターンの話にも通ずるものがありますが、年間20%の利回りを出せる投資商品は同時に20%の損失(ドローダウン)を出してしまう可能性があるわけです。リスクとリターンの振り子は常に同じ振れ幅を取ります。えっ?リスクを取らずにリターンだけを得ればいいって?そんな方法あったら教えてくださいよ、時間作りますから(笑)

まぁいいですよ。年利20%ベースで、継続的に収益を上げるトレーダーがいるとすれば、よほどの相場技術力をお持ちか(実際いますけどね)、あるいは、定期的にカバードショート(保有しているポジションに合わせて、想定下落幅に対応するように原資産を担保として売り建てすること)したり、逆指値注文を入れて予めロスカット基準を設定するなど、何らかの方法で上手にヘッジ(保険)をかけているはずです。株式をバイ&ホールド(買ってそのままにしておく)だけだと突然の暴落に耐えられませんからね。ヘッジポジションを取ることによって期待収益率を低下させても、ポジションの一部あるいは全体に何らかの保険をかけているはずです。ほら、ドミノ倒しだってそうでしょ?並べながらお尻がぶつかったら全部倒れちゃうでしょ?

私も子どもの頃よくやって泣いたけど。。。

それに運用資金が増えれば増えるほど、投資方法は変わっていくはずです。小さな金額で投資を始めたころは十分に分散投資もできず、結果として損益曲線は荒くなります。大きく儲かることもあれば大きく損をすることもあります。その理由は、ポジション全体に対して保有銘柄の比率が高すぎるわけですからね(飲食店を例にあげれば、高級料理店は単価が「高く」来客数は「少ない」ため、ひとり当たりの客単価が売り上げ比率に及ぼす影響力は「高く」なりますよね。だから来客数が少しでも上がれば売り上げも一気に上がるし、逆に来客数が少しでも減ると売り上げも一気に落ちてしまうイメージです)。

しかし、運用金額が上がるにつれて、オーダーがうまく通らず執行リスクがどんどん上がっていきます。また、流動性が少ない銘柄を大量にオーダーすると自分の入れたオーダースケール(マーケットインパクト)が大きすぎて、成り行きで注文すると、自ら価格を吊り上げてしまい、結果として売るに売れない状態に陥ってしまいます(流動性リスク)。そのため、資金量の増加とともに、ポートフォリオに銘柄を追加し、銘柄を幅広く分散することにより、個別銘柄のポジション比率をポートフォリオ全体から見て、相対的に小さくしていく必要があります。ポートフォリオが大きくなると、分散効果が働くため、損益曲線が緩やかになっていきます。損益曲線が緩やかになるということは、ポートフォリオの質が向上し、大きく儲けることも、大きく損する可能性も当初に比べて「相対的に」小さくなっていく可能性が高いということです。理由は、ポートフォリオが一定数を超えると、それ自体がベンチマークのようになり、イメージとしては「平均値」を取引するようになるためです。TOPIXや日経平均など、ベンチマークの変動率は、個別銘柄に比べて値動きが緩やかですよね(飲食店を例にあげれば、居酒屋は単価が「低く」来客数が「多い」ため、ひとり当たりの客単価が売り上げ比率に及ぼす影響力は「低く」なりますよね。だから来客数が少し増えたところで、たいして売り上げには影響ないし、逆に来客数が少し減ったとしても売り上げが一気に落ちることがないイメージです)。

ふぅ、長々と突っ込みを入れましたが、「理論」と「実践」は異なりますからね。理論はしょせん机上の空論であって、現実世界では通用しないことばかりです。こんな事は学校では教えてくれなかったし、教科書にも載っていません。学校では必要最低限の理論は教えてくれるけど、現実の社会では金融取引はもちろん、理論通りにならないことばかりですからね。

 

以上、ここでは3つの例をあげましたが、これだけ読むと何だか「営業行為」=「詐欺行為」みたいに思われてしまうので、誤解のないように補足しておきます。私は、別に「営業行為」そのものが嫌いなわけではなくて、「誇大広告」に突っ込みを入れるのが好きなだけです(笑)人間は誰もが生まれたときから営業活動をする生き物ですから。言葉を話せない赤ちゃんは泣くことによって、周囲の大人たちに自分の意思を伝えようとしますし、大人だってアルバイトや就職活動の時に自分の能力を売り込むわけだし、さらに言えば気に入った女性を口説く行為も営業活動ですからね。

「営業」と「詐欺」は見分けが難しいのはたしかです。どんな商品であれ、「売り手」と「買い手」の間には、必然的に情報の非対称性が生じます。「売り手」の提示する期待値と「買い手」が解釈する期待値が小さすぎるとモノは売れなくなりますし、逆に大きすぎると誇大広告となってしまい、詐欺に問われてしまう可能性があります。ここで私が言いたかったのは、情報量が「売り手」>「買い手」となるわけですから、「売り手」は「買い手」に対して、誤解を招くような表現は謹んでいただきたいということです。

「営業」と「詐欺」の間。本当に大切なのは、この両者の「行間を読む」能力と、両者の期待値の乖離幅を「自分自身が妥協できる許容範囲内に最適化する訓練」だと思います。結局は経験から学んでいくしかないわけですよね。

 

営業」と「詐欺」の間。両者は似て非なるモノですが、何とも見分けが難しいですね。

 

ふぅやれやれ。

 

 

【期待値が高いと満足度は低下する~うまい話にはウラがある~】

 

 

結局のところ、私がこのコラムで何を言いたかったのかというと、

株式投資や不動産投資といった投資ビジネス、いわゆる富裕層ビジネスに引っかかってしまうのは【富裕層】ではなく、【プチ富裕層】である【お金持ち入門者】なんですよ。

【お金持ち入門者】は、お金よりも大事なものがわかっていないと、富裕層の一員として認められたくて、ついついお金に目がくらんでしまうんですよね。

 

お金はしょせん手段にすぎません。どんなに手に入れたところで目的にはなり得ません。

だからこそ、お金よりも大事なものがわからないといけませんね。

お金より大事なものってなんでしょう?

 

う~ん。

 

みなさんも考えてみてくださいね。

 

 

ということで、「期待値が高いと満足度は低下する、うまい話にはウラがある」、というお話でした。最後までお読みいただきありがとうございました。

 

10年前の自分に読ませてやりたいわw

 

ふぅやれやれ。

 

 

にほんブログ村 先物取引ブログ サヤ取りへ
にほんブログ村


金融・投資 ブログランキングへ

 

 

 

 

 

はい。

 

まだ終わりませんよ。まだこのコラムの本当の正体を書いていませんからね。

 

このコラムのウラのテーマは、

 

期待値が高いと満足度は低下する、うまい話にはウラがあるが、そこには実はまだウラがあった」ということです。よくわかんないですね。どうして私はこのコラムを書いたのでしょうか?全ての創作物には必ず、作り手の意図があるはずです。

 

いちおう、ここにも「オモテ(建て前)」と「ウラ(本音)」があります。

 

まず、オモテ(建て前)を言うと、3つあります。

 

1つ目は、情報化社会になって「ヒト」と「ヒト」の心を結ぶ役割であるはずの、コミュニケーション能力が、私を含め、低下している傾向にあると思ったからです。特に、今の若い世代のヒトたち(デジタルネイティブ世代)には行間が読めず、言ったことを真に受けてしまう子たちが少なからずいるため、教育目的を兼ねて書いてみることにしました。こういった仕事は、私のように物事をナナメな視線から眺める社会不適合者こそが適任であると思ったからです。20代の学生さんとかね、このコラム読んでみて、いろいろ気づいたことありませんか?社会に出たら、このコラムみたいに行間をわざわざクソ丁寧に説明してくれる大人はいないからね。資格とか試験勉強ばっかりやってないで、バイトしていろんなヒトに絡んだり、合コン行ったりナンパして「行間を読む力」と「駆け引き能力」を向上させてくださいね(笑)

2つ目は、くだらない情報ばかり追い求める情報依存者があまりにも多すぎて、日本の個人投資家の情報判断能力が低すぎると思ったからです。何かこう、うまく表現できないけど、底上げして中位数の位置が少しでも上がることで、悪どい商売をする輩を少しでも減らせればいいなと思いました。わけわかんないガラクタみたいなモノばかりに投資(浪費!?)せずに、もっとマーケットにお金落として出来高を上げてくださいよ。出来高上げてくれたほうが、私の仕事やりやすくなりますからね(笑)でも、考えてみたらこのブログって基本的にサヤ取り投資家しか読まないんですよね。サヤ取り投資家って基本的に中級レベル以上の方ですよね。なんか、本当にメッセージを届けたい相手に実は私の想いが届かないような気がします。。。

3つ目は、定期的に起きる詐欺事件や悪徳業者は本当に許せないため、注意喚起目的で書くことにしました。みなさん、投資関連のブログはじっくり読んでも警視庁のホームページとか読まないでしょ?私は、どちらかというと「騙されるほうが悪い」という考え方ですが、やっぱり物事の本質を客観的に考える視点は常日頃から養ったほうがいいと思うんですよ。特に、学生さんは無菌状態から社会へ出て行くので、人生のちょっと先輩として老婆心ながら書いてみましたよ。お金を稼ぐってことはね、本当に大変なことですよ。

なお、詐欺師の方がこれを読んでいたら、このコラムを逆手にとって、「このヒトの言ってることはとても素晴らしい。こういった事例がありますのでみなさんもご注意ください!」とか言って安心させて、詐欺行為を働くのはくれぐれもやめてくださいね。

 

以上が建て前。さて、ウラ(本音)をバラしましょうか。

 

結論を言うと、この投稿は随所にイラッとする表現を意図的に組み込んでいます。ちょっとした心理テストを実行させていただきました。イラッとした方はカモになる可能性があるから気をつけてくださいね。「これ書いてるヤツ何か気に喰わねぇヤツだな」と思ってURLをコピペして掲示板に投稿したり、フェイスブックやツイッターで拡散しようものなら、まさにあなたはネギを背負ったカモ、私の思うツボです(笑)あなたの尽力によって、巧妙な炎上マーケティングが仕上がったということね。もちろん報酬は出しませんが貴殿の営業活動には心より感謝申し上げます。はい。ということで、情報のスクリーニングは「感情的」にではなく、「論理的」に行ってくださいね。

さらに、上記のようにわざわざトリックを書いたのは、相手の起こしそうなアクションを前もって提示しておくことで、相手の動きを事前に封じ込めるというディフェンス効果を期待したものです。上記のような文言を書いておくことによって炎上してもスルーされても、つまり結果的にどちらの方向に進んでも私の期待値をニュートラル化する作業をしたわけです。←という文章そのものも実はヘッジ機能です。

 

なお、補足として当コラムを執筆するに当たって、以下のような点に考慮しました。

 

まず、長々とした文章を書いたのは、移動中の方や仕事の休憩時間中に読まれる方など、ブックマーク登録をして後で読もうかな~と思ってくださる方が少なからずいるかもしれないと思ったので、違うタイトル同士ですが話の流れを途切れさせないように工夫してみました。文章が長すぎてわざと一気に読めないようにして、密かにブックマーク登録を促してみました。

次に、イラっとした時の矛先が自分に向かうのを少しでも和らげる効果として、自らの属性を「一般庶民」としました。これにより自らの自己保身としてヘッジ機能を組み込んだわけです。一般大衆の一人にすぎない私のような人間が、がんばって背伸びして書いてるから、私もみなさんと同じ目線で書いてるので私にイラッとしないで応援してくださいね、というウラの意味があります。

3番目に、自分の心理をそのまま書いたのは、「あー、このヒトってけっこう信頼できるかもな」という暗示を前もって読者にかけておくことにより、将来の潜在顧客を獲得できるのではないかという淡い期待が芽生えてしまい(笑)、結果として自らの期待値をやや上げてみることにしました。

さらに、前文に対応するように、文中に「外野席からリスクも取らずにエラそうにモノを言ってるだけの人間はあまり好きではないんですよ(但し現場経験者は除く)」という表現がありますが、「但しトレーダー経験者は除く」という文言を組み込んだ意図については、私も将来的に参入を考えているためです。この文言入れとかないと、「今現在言っていること」と「将来やろうとしていること」が矛盾してしまいますからね。そう、将来の自分の自己保身としてヘッジ機能を組み込む必要があると思い、この文言を入れることにしました。予め乖離幅を示し、その間に生じるであろう矛盾点を示しておくことによって、自分の発言をがんばって正当化しようと努めているわけですよ(笑)

また、詐欺に引っかかりやすいヒトの特徴として「プライド高いヒト」と記述しましたが、【過去の栄光にしがみついているような、いわゆる人生の最盛期を過ぎたことは自分では薄々感づいているものの、その事実を受け入れられずに、「どうやって心理的不満を解消してよいかわからない」というジレンマをお持ちの方】という記述には、実はもうひとつ意味があります。これ実は、「日本人」のことです。かつて、"Japan as No. 1"と称賛され、世界経済を牽引してきた日本経済はとっくに終焉を迎えました。それにもかかわらず、アジア諸国を歩いていると、虚栄心を捨てきれず、偉そうに立ち振る舞う自称グローバリストの日本人をよく目にします。私は、そんな光景を見るたびに、1人の日本人として本当に情けない気持ちになります。もはや日本はアジア全体から見れば最東端に位置するひとつの国家に過ぎないのですよ。自称グローバリストの皆さん、勘違いはほどほどにね。よろしければ、コラム【グローバル社会と日本経済の未来について思うこと】をご覧ください。

4番目に、当コラムは文中に適度に下ネタが組み込まれています。これはユーモアを交えることにより「読み手」と「書き手」の距離感を柔和させる効果を期待しているためです。だって、ガチガチのお堅い文章は途中で読まなくなるでしょ?ユーモアは社会を円滑にするための潤滑油ですからね。私のユーモアは99%が下ネタですがw

5番目に、当コラムの90%程度は私の実体験に基づいて、10%程度は伝聞に基づいて書いています。なるべく客観的な記述を心がけたつもりですが、コラムという特性上、筆者の主観的要素も含まれておりますので、その点ご了承いただけたら幸いです。

最後に、当ブログは私のささやかな自己顕示欲を満たしたいという思いで書いています。この世に存在する全ての創作物は作り手の自己顕示欲を顕在化させたものです。私もこのブログで情報をアウトプットすることにより、ちょっとでも「このヒトすごいな」って思われて欲求を満たしたいわけですよ(笑)普段は、社会とあまりダイレクトに関わることが無いような仕事してますからね。

 

ガチで本音を書いてしまったけど、こんなところでしょうか。人間の本性って何ともイヤラシイですねw

さて、いかがでしたか?みなさん私の仕掛けたトラップにしっかりと嵌まっていただけましたでしょうか?建て前を羅列した時のフェイントにうっかり引っかかりませんでしたか?

このように詐欺師は適度にみなさんの心理に巧妙にフェイントをかけてくるので、うっかり期待値を上げてしまうのは注意してくだいね。


現実社会って結局のところ、ポーカーゲームと同じ仕組みで、相手との間に存在する情報の非対称性を考えながら、自分で論理を組み立てていくゲームだと思うんですよ。

相手の表情や発言の意図を読み解きながら、それが「ブラフ」なのか「真実」なのか見極めなければならないわけですからね。


Lasvegaspoker

出典:「Playing Poker in Las Vegas(The (Mis)Adventures of Colin

 

以上、ステマの練習でした。あはは、このコラムの存在自体が実は巧妙なステマだったわけですw

 

ふぅやれやれ。

 

おしまい。


にほんブログ村 先物取引ブログ サヤ取りへ
にほんブログ村


金融・投資 ブログランキングへ

 

« 【システムについてのお話 その④】 | トップページ | コラム その⑦【RPGを使ってポートフォリオの本質を考えてみる】 »

コラム・その他」カテゴリの記事

コメント

そういうオチか、完全にハマったわ(笑)

この文章エグいな。

これって要するに、うまい話に気をつけようって内容を注意喚起してるけど、じつは最後の最後に読者を引っ掛けてるわけだよね。

お前は恐ろしい男だなw

ヨッケ

けっこうガチで書いたからねw これって実は、起承転結の「転」の部分が長いフェイントの役割をしていて、読み手の注意を逸らしたわけさ。で、最後のオチが壮大なステマでしたっていう告白(笑)。ほら、ポーカーみたいな情報非対称性のあるゲームは、最後に自分の手を晒すでしょ。

それと一緒♪

真田君

要約力がお見事!巧妙な仕掛けを見事に一言で本質を突いてくれたねw

カードゲームの大富豪で言えば、最後の最後に「革命」起こして自分だけ先に上がりみたいな感じかな~w

この記事へのコメントは終了しました。

« 【システムについてのお話 その④】 | トップページ | コラム その⑦【RPGを使ってポートフォリオの本質を考えてみる】 »

フォト

カテゴリー

  • コラム・その他
    このブログとはあまり関係ないこともひまつぶしに書いてます。実はけっこう読んで欲しかったりします。
  • システム関連
    サヤ取り(ロングショート)に関する補足事項です。【トレード関連】・【統計関連】を理解した上で読んでください。いきなりこのカテゴリー開くと挫折するから要注意。
  • トレード関連
    サヤ取り(ロングショート)に関する記事です。このブログのメインテーマです。
  • 統計関連
    サヤ取り(ロングショート)をする上で最低限必要と思われる内容をまとめています。
無料ブログはココログ
2020年12月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31