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2014年2月20日 (木)

ロングショートについてのお話 その⑦-2【α値の算出方法と組み合わせの自由度】

 

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前回、マーケットニュートラルの本質は、「ベータ(β)を排除してアルファ(α)を取りに行く戦略」であると述べました。これはサヤ取りについても同様のことが言えます(詳しくは【トップページ1.2.)】参照)。

今回は、1.のαの部分、すなわち「価格差(サヤ幅)」について補足しておきます(【ロングショート④(ステップ3-18.)】、【システム③(ステップ3-18.)】参照)。

 

 

【α値の算出方法と組み合わせの自由度】                                          

 

 

サヤ取り投資をするにあたって、利益の源泉そのものである「価格差(サヤ幅)」、つまりα値をどのように算出するべきなのでしょうか?

価格差(サヤ幅)を算出するには、大きくわけて2つの方法が考えられます。

 

{ B銘柄の株価 × B銘柄の株数) A銘柄の株価 × A銘柄の株数) }

{(過去n日間の株価 n日前の株価) ÷ n日前の株価 × 100 [] }

 

まず、①について。

 

{ B銘柄の株価 × B銘柄の株数) A銘柄の株価 × A銘柄の株数) }

 

この算出方法は、「絶対値」の計算方式でB銘柄(脇銘柄)とA銘柄(軸銘柄)のスプレッドを算出する方法です。使い方としては、過去n日間の平均乖離値が100円で最大乖離幅が120円だったとした場合、120円に開いた段階でエントリー(両建て)を行い、100円に収斂したらエグジット(手仕舞い)する。つまり、12010020円となり、差分の20円が期待利益となります。

なお、比率換算すると、①の計算式は、

’ { B銘柄の株価 × B銘柄の株数) ÷ A銘柄の株価 × A銘柄の株数) }

のように変換できます。

上記のケースの場合、120÷1001.2%となり、1.2%の期待収益率となります。

 

次に、②について。

 

{(過去n日間の株価 n日前の株価) ÷ n日前の株価 × 100 [] }

 

これは「100分率法」という「相対値」の算出方法です。

まず、投資金額が少ない個人投資家の方であれば①の算出方法でも十分だと思いますが、目安としては運用額が3,000万円を超えるような個人投資家、資金量の多い機関投資家やプロップトレーダーであれば②の方法を用いる必要があると考えます。

理由は、①の方法で算出すると銘柄ペアの組み合わせ候補が少なくなり、結果として、ポートフォリオを設計する際に、「組み合わせの自由度がかなり限定されてしまう」ためです(イメージとしては、【ロングショート③(ステップ25.)】株価水準指数の図を参考にしてください)。なお、この場合、任意のn2401年)で計算するのが一般的とされています。

次に、②の算出方法の有意性について説明します。①の算出方法は、単純に「脇銘柄」と「軸銘柄」の差分をα値と定義した「絶対値」ですが、②の算出方法は、過去n日前の株価と現在の株価の「相対値」となります。この場合、②の算出方法を用いることにより、前回説明したβ値のニュートラル化の問題を補完するための代替案になると考えられます。

理由は、βリスクを完全に排除することができない実際の取引では、「株価の高い銘柄が低い銘柄に比べて、「相対的」にβ値が大きくなる」と考えられるため、①の算出方法だと、割高銘柄(つまりショート銘柄)のβ値の影響を受けてしまい、ショート銘柄が上昇した場合、ロング銘柄のβ値の連動比率が追い付けずに、取引がうまく機能しなくなるためです。そのため、実際の取引では、βリスクを完全に排除しきれないため、割高・割安の概念を代替策とする、もしくは併用することにより、ロング銘柄とショート銘柄の組み合わせを行ったほうが、①の算出方法に対して優位性があると考えられます。

3番目に、割高な銘柄をショート、割安な銘柄をロングすることにより、「相場の上昇局面、下落局面でもβリスクの影響を低減させる」効果が期待できます(レラティブバリュー戦略)。これは、後日ブログで詳しく説明します。

 

 当ブログは学生とサヤ取り入門者の方を対象としているため、一般的に用いられている①の説明をメインとしました。

 

 

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