【システムについてのお話 その②】
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この記事の位置付けは、【ロングショート④】ステップ2の補足事項となります。なお、【ロングショート④】は【ロングショート③】を計算式に変換したものとなります。
この記事に興味を持たれましたら、【ロングショート③】→【ロングショート④】→この記事の順番で読んでいただければ理解が深まると思います。
【ステップ2:銘柄をロング候補とショート候補に分類する】
8. 株価水準指数を基準として、銘柄をロング候補とショート候補に分類する。
∟ 「 x < z { (ベンチマーク水準
- n日前のベンチマーク水準)÷ n日前のベンチマーク水準
× 100 [%] } ≦ y 」(x:ロング候補・y:ショート候補・z:基準値)
→ x::ロング候補・y:ショート候補として、ポジションをベンチマークに対して上下から挟み撃ちにして連動させていく。この作業を行うことによりポジションをベンチマークニュートラルに近づける効果が期待できる。
なお、「株価水準指数」の別の使い方としては、ステップ3の個別銘柄同士の組み合わせのように、
∟ 「 x < z { (ベンチマーク水準
- n日前のベンチマーク水準)÷ n日前のベンチマーク水準
× 100 [%] } ≦ y 」(x:任意の変数・y:任意の変数)→ xと yの意味する対象が変わるので注意!
→ (例)x:0.8 ~ y:1.0, x:0.8 ~ y:1.2, x:1.0 ~ y:1.2 など
→ (例)n:120, n:240 など
といった使い方も考えられます。
9. 信用倍率を基準として銘柄をロング候補とショート候補に分類する。
∟ 「 x < z {(ベンチマーク)信用買い残高
÷
(ベンチマーク)信用売り残高 } ≦ y 」(x:ロング候補・y:ショート候補・z:基準値)
→ x::ロング候補・y:ショート候補として、ポジションをベンチマークに対して上下から挟み撃ちにして連動させていく。この作業を行うことによりポジションをベンチマークニュートラルに近づける効果が期待できる。
なお、「信用倍率」の別の使い方としては、
∟ 「 x < z { (信用買い残高 ÷ 信用売り残高) } ≦ y 」(x:ロング候補・y:ショート候補・z:基準値)
→ (例)z:3 など
といった使い方も考えられます。
10. PERを基準として、銘柄をロング候補とショート候補に分類する。
∟ 「 x < z { (ベンチマーク)当期利益
÷
(ベンチマーク)期末の発行済み株式数 } ≦ y 」(x:ロング候補・y:ショート候補・z:基準値)
→ x::ロング候補・y:ショート候補として、ポジションをベンチマークに対して上下から挟み撃ちにして連動させていく。この作業を行うことによりポジションをベンチマークニュートラルに近づける効果が期待できる。
なお、「PER」の別の使い方としては、ステップ3の個別銘柄同士の組み合わせのように、
∟ 「 x < z { 当期利益 ÷ 期末の発行済み株式数 } ≦ y 」(x:任意の変数・y:任意の変数)→ xと yの意味する対象が変わるので注意!
→ (例)x:10 ~ y:20, x:15 ~ y:25 など
といった使い方も考えられます。
11. PBRを基準として、銘柄をロング候補とショート候補に分類する。
∟ 「 x < z { 株主資本 ÷ 発行済み株式数 } ≦ y 」(x:ロング候補・y:ショート候補・z:基準値)
→ x::ロング候補・y:ショート候補として、ポジションをベンチマークに対して上下から挟み撃ちにして連動させていく。この作業を行うことによりポジションをベンチマークニュートラルに近づける効果が期待できる。
なお、「PBR」の別の使い方としては、ステップ3の個別銘柄同士の組み合わせのように、
∟ 「 x < z { 株主資本 ÷ 発行済み株式数 } ≦ y 」(x:任意の変数・y:任意の変数)→ xと yの意味する対象が変わるので注意!
→ (例)x:0.8 ~ y:1.0, x:0.8 ~ y:1.2, x:1.0 ~ y:1.2 など
といった使い方も考えられます。
【ロングショート④ ステップ②補足】
ステップ2の作業は、基準となるベンチマークを決め(当ブログではTOPIXを用いる)、ロングする銘柄とショートする銘柄をそれぞれ2つのグループに分類する作業である。この作業によって、ロングする銘柄とショートする銘柄をベンチマークにペッグ(固定)することにより、マーケットの上下動にスライドさせていくため、ベンチマークニュートラルが期待できる(実際のロングショートの現場ではあまり使われない。これは厳密に言えばレラティブバリュー戦略に分類される。実際の現場では、この作業は無視される場合が多い)。なお、スクリーニング処理を行うと、「株価水準指数」を基準とした場合、かなり対象銘柄候補が絞られてしまうため、実際は信用倍率でグループ分けしてもよいだろう。なお、信用倍率は当ブログのような使い方ではなく、補足事項のように数値を入れて組み合わせる方法もある。PER・PBRは参考程度に使用する。PER・PBRについても、具体的な数値の入力でなく、
1.
∟ 「 x < z { ベンチマークPER ±n%の範囲内 } ≦ y 」(x:任意の変数・y:任意の変数)
→ (例)n:5, n:10 など
といった使い方も考えられます。ベンチマークのPERが20%とした場合、±10%の組み合わせは、PER18%~22%くらいの銘柄候補の組み合わせに絞って抽出できることになる。
というか、このほうがわかりやすいので【ロングショート③】ステップ2のニュートラル化の説明はこちらのほうがロングショートの説明になりますね。ロングショートはベンチマークを無視して銘柄ペアの価格差(サヤ幅)だけを見るトレーダーのほうが多いから実際はもっとシンプルな戦略です。もう今さら手直しするのも面倒くさいからこのページ閲覧してくれた人だけでいいです(笑)
あるいは、単純に、
2.
∟ 「 x < z { PER ±n%の範囲内 } ≦ y 」(x:任意の変数・y:任意の変数)
→ (例)n:5, n:10 など
といった使い方も考えられます。PERが±10%の組み合わせで、かつ同じくらいの時価総額同士であれば非常にサヤ取りを行うに当たっては、有力候補となりやすい。ただし、欠点はベンチマークの相対概念がなくなるので、PER100倍の銘柄ペアも抽出されてしまうので注意のこと。
学習用ソフトを作るのであれば2.でもいいけど、実際の運用を考えたソフトを作るとしたら、1.のほうが適用性が高いですね。理論は完璧でも、実践では弱点があるということのよい例ですね。
ということで、これをステップ3に移動してもOK。この辺りはトレーダーごとに使い方が異なるのでお好みでどうぞ!
ここでまとめたステップ2のスクリーニングモデルは、どちらかというと「(ベンチマーク内の割安銘柄グループ)のロング」と「(ベンチマーク)のショート」を組み合わせたレラティブバリュー戦略でよく使われるが、ロングショート取引では、ステップ2の作業は参考くらいでよいだろう。むしろステップ3で行う、銘柄ペアの組み合わせの作業のほうが重要だと思う。
※ 参考 株価水準比較チャート(Yahoo! Finance HP)
※ 参考 企業データ検索(Yahoo! Finance HP)
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