統計についてのお話 その⑨【回帰分析と回帰係数】
【回帰分析と回帰係数】
相関分析の説明では、相関は「変量xとyの相関の強さを示す数値」(相関係数)であることを説明しました。回帰分析では、相関係数からは読み取れなかった「変量xとyがどのくらいの割合で増加(減少)するかを表す」ために、回帰直線という直線を使って分析する作業を行います。
回帰直線を分析すると、「いくつかの変数(株価データ)があったときに、ある変数(X)を他の変数(Y)でどれくらい説明できるか」がわかります。
これから求める「回帰方程式」は相関図のデータに最も良くあてはまる直線となりますが、その一方で、実際には各データに対して必ず誤差が存在しています。回帰式の推定に用いられる最小二乗法は、求める直線とデータとのy軸でみた誤差(残差)dの二乗和(つまり誤差の面積)が最小になるように直線を求める方法となります。
回帰式は通常、
y=ax+bで表します。
例:投資用マンションと最寄駅までの距離を調べたところ、駅前(徒歩0分)の投資物件の平均利回りが10%だったとする。調査の結果、駅からの距離が1分伸びるごとに0.5%ずつ利回りが低下することがわかったとする。
↓
マンションの利回りをy、最寄駅までの距離をxとした場合、この関係は以下のようにまとめることができます。
予測値y^=10.0-0.5x
これが回帰式となります。変量Xを使って変量Yの増加・減少を説明するための式です。この式を使うと、駅からの距離が徒歩1分→平均利回り9.5%、2分→平均利回り9.0%、3分→平均利回り8.5%、4分→平均利回り8%、5分→平均利回り7.5%...と予測することができます。
で...これはかなり計算が長くなるので、前の相関係数の説明で使った表を見てください。
例:A社の過去半年間の月末の終値が、80円、95円、110円、105円、90円、100円だったとする(A社の平均100円)。B社の過去半年間の月末の終値が、80円、102円、117円、105円、99円、103円だったとする(B社の平均株価101円)。
A社をx、B社をyとした場合、x社の株価データを使ってy社の株価のデータの増加・減少を分析します。
回帰式を使って、回帰係数という数値を求めます。回帰係数は「b」で表します。
回帰係数bは、
b = XYの分散の和÷Xの分散で求められます。
b = 695÷1250
b = 0.556
回帰式は、
y-yの平均=b(x-xの平均)で求められます。
y-101 = 0.556x-55.6
y = 0.556x-55.6+101
y = 0.556x-45.4
となります。
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