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2013年12月

2013年12月26日 (木)

統計についてのお話 【まとめ②】


【まとめ②】

 

ここでは、【相関分析と相関係数】【回帰分析と回帰係数】【回帰方程式と決定係数】の要点だけまとめておきます。


 

相関分析と相関係数

 

一般に、異なる2つの変量xyの間に相互関係がある場合、すなわち、xの値に対してyの値が変化するような関係にあるとき、xyの間には相関関係があるという。相関は「変量xyの相関の強さを示す数値」(相関係数)で表すことができる。

相関には正(+)と負(-)の関係があり、一方が増えた(減った)ときに他方が増える(減る)場合は正(負)の相関があると考えられる。

 

なお、相関係数は相関図(散布図)と合わせて用いるべきだと考えられる。これは、元のデータがどのような形状になっているかを確認しないと相関係数だけでは読み取れなかった情報に気付かない可能性があるため。

 

 

回帰分析と回帰係数

 

回帰分析は、相関係数からは読み取れなかった「変量xyがどのくらいの割合で増加(減少)するかを表す」ために行う。相関図(散布図)から回帰直線の方程式を算出すると、「いくつかの変数があったときに、ある変数(X)を他の変数(Y)でどれくらい説明できるか」がわかる。

 

 

回帰方程式と決定係数

 

決定係数とは、回帰方程式の精度を表す指標。使ったデータの信頼性、精度を分析するために使う。すなわち、回帰直線を使って相関図(散布図)の分布をどの程度うまく説明できているかを表す数値である。

 

 

ということで、相関分析から決定係数の算出まで説明しましたが、株式関連の書籍で統計について言及する際、相関係数や決定係数について詳しく説明しているテキストが見当たらなかったので、参考までに書いてみました。

なお、回帰分析では決定係数を算出することによって、データがどのくらい回帰直線にうまく当てはまっているかを確認しました。これは、スクリーニングの際、ペア銘柄候補がたくさん出てしまったときに、これから投資するペア銘柄(ポートフォリオモデル)の評価基準として参考にしていただければと思います。

 

以上


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統計についてのお話 その⑩【回帰方程式と決定係数】


【回帰方程式と決定係数】

 

決定係数とは、回帰方程式の精度を表す指標です。使ったデータは本当によかったのか、精度はどうなのか、というところまできちんと分析する必要があります。すなわち、使用した株価データの分布が回帰直線にうまくあてはまるかどうかを確認します。

 

手順は、

 

まず、yB社の株価)の変動を求めます。

次に、残差平方和(残差2)を求めます。

最後に、決定係数を求めます。

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まず、yB社の株価)の変動を求めます。

 

yの変動=(各データ-平均値)の平方和

yの変動=(-212+(12+(162+(42+(-22+(22

yの変動441+1+256+16+4+4

yの変動=722

 

次に、残差平方和(残差2)を求めます。

 

残差平方和=(yの値-回帰方程式より求めたyの値)2

残差平方和={80-(0.556×8045.4}2{102-(0.556×9545.4}2{117-(0.556×11045.4}2{105-(0.556×12545.4}2{99-(0.556×9045.4}2{103-(0.556×10045.4}2

残差平方和=335.58

 

決定係数=(yの変動-残差平方和)÷yの変動

決定係数=(722335.58)÷722

決定係数=386.42÷722

決定係数=0.535208

 

以上により決定係数は≒0.535208となりました。よって、回帰方程式は目的変量のだいたい5354%程度しか説明できていないことがわかりました。決定係数は01の間の数で、1に近いほどデータをよく説明していることになります。よって、この回帰直線は残念ながらうまく株価データにあまり上手く当てはまっていないと判断することができます。


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統計についてのお話 その⑨【回帰分析と回帰係数】


【回帰分析と回帰係数】

 

相関分析の説明では、相関は「変量xyの相関の強さを示す数値」(相関係数)であることを説明しました。回帰分析では、相関係数からは読み取れなかった「変量xyがどのくらいの割合で増加(減少)するかを表す」ために、回帰直線という直線を使って分析する作業を行います。

 

回帰直線を分析すると、「いくつかの変数(株価データ)があったときに、ある変数(X)を他の変数(Y)でどれくらい説明できるか」がわかります。

 

これから求める「回帰方程式」は相関図のデータに最も良くあてはまる直線となりますが、その一方で、実際には各データに対して必ず誤差が存在しています。回帰式の推定に用いられる最小二乗法は、求める直線とデータとのy軸でみた誤差(残差)dの二乗和(つまり誤差の面積)が最小になるように直線を求める方法となります。


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回帰式は通常、

 

yaxbで表します。

 

例:投資用マンションと最寄駅までの距離を調べたところ、駅前(徒歩0分)の投資物件の平均利回りが10%だったとする。調査の結果、駅からの距離が1分伸びるごとに0.5%ずつ利回りが低下することがわかったとする。

マンションの利回りをy、最寄駅までの距離をxとした場合、この関係は以下のようにまとめることができます。

 

予測値y^10.00.5x

 

これが回帰式となります。変量Xを使って変量Yの増加・減少を説明するための式です。この式を使うと、駅からの距離が徒歩1分→平均利回り9.5%、2分→平均利回り9.0%、3分→平均利回り8.5%、4分→平均利回り8%、5分→平均利回り7.5%...と予測することができます。

※ これはあくまでも例なので、20分歩くと利回り0%になってオーナーさんが無料で部屋を貸してくださるかどうかは、私は知りませんよ(笑)

 

で...これはかなり計算が長くなるので、前の相関係数の説明で使った表を見てください。

 

例:A社の過去半年間の月末の終値が、80円、95円、110円、105円、90円、100円だったとする(A社の平均100円)。B社の過去半年間の月末の終値が、80円、102円、117円、105円、99円、103円だったとする(B社の平均株価101円)。

 

A社をxB社をyとした場合、x社の株価データを使ってy社の株価のデータの増加・減少を分析します。 

 

Kaiki1  

                           

回帰式を使って、回帰係数という数値を求めます。回帰係数は「b」で表します。

 

回帰係数bは、

 

b = XYの分散の和÷Xの分散で求められます。

b = 695÷1250

b = 0.556

 

回帰式は、

yyの平均=bxxの平均)で求められます。

y101 = 0.556x55.6 

y = 0.556x55.6101

y = 0.556x45.4

 

となります。


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統計についてのお話 その⑧【相関分析と相関係数】


【相関分析と相関係数】

 

「風が吹けば桶屋が儲かる

 

「風が吹く」→「砂や埃が舞う」→「目の見えない人が増える」→「目の見えない人は三味線を買って出稼ぎにいく(当時の盲人[1]が就ける職業に由来)」→「三味線用の猫の皮が必要になる」→「(すると)猫の数が減っていく」→「(一方で)ネズミの数が増える」→「ネズミが桶をカジる」→「(よって)桶屋が繁盛する」...

 

はい(笑)

 

途中、どう考えてもムチャクチャな論理展開が見受けられるようですが( ̄~ ̄;)


まぁそれは置いといて...

 

このように、原因から結果が生まれ、相互に関係し合っている現象を「相関」といいます[2]

 

一般に、異なる2つの変量xA社の株)とyB社の株)の間に相互関係がある場合、すなわち、xの値に対してyの値が変化するような関係にあるとき、xyの間には相関関係があるといいます。これを調べるには、xyをペア銘柄として点(x,y)を平面上にプロット(点を打つということ)していきます。このようにして出来上がったデータを相関図(散布図)といいます。

 

例として、xA社、yB社として両銘柄の間に相関があるか見てみましょう。

 

例:A社の過去半年間の月末の終値が、80円、95円、110円、105円、90円、100円だったとする。B社の過去半年間の月末の終値が、80円、102円、117円、105円、99円、103円だったとする。

 

Soukan1

横軸:xA社株価)・縦軸:yB社株価) 相関係数:0.7315

 

相関図を見ると、プロットした点がなんとな~く一直線に並んでいるように見えます。この散布図から、両銘柄には、まぁ...それなりに高い相関関係がありそうだということがわかります。相関係数は0.7315です。

 

一般的に、相関(rで示す)の度合いは、

 

0.0 ≦ r ≦ 0.2 ⇒ ほとんど相関がない

0.2 ≦ r ≦ 0.4 ⇒ やや正の相関がある

0.4 ≦ r ≦ 0.7 ⇒ かなり正の相関がある

0.7 ≦ r ≦ 1.0 ⇒ 強い正の相関がある

 

逆に、

 

0.0 ≦ r ≦ -0.2 ⇒ ほとんど相関がない

0.2 ≦ r ≦ -0.4 ⇒ やや負の相関がある

0.4 ≦ r ≦ -0.7 ⇒ かなり負の相関がある

0.7 ≦ r ≦ -1.0 ⇒ 強い負の相関がある

 

と考えられます。

 

このように、相関には正(+)と負(-)の関係があります。一方が増えた(減った)ときに他方が増える(減る)場合は正(負)の相関があると考えられます。

 

係数rxyによって定義された相関係数は、

 

-1 ≦ rxy ≦ 1

 

という性質を持つことが証明されます。

 

 

この数値を算出するには、ざっくりですが、以下の3つの手順が必要です。

 

1. 相関図の中心を平均に揃える。

2. バラツキを合わせて同じモノサシで図る(尺度の異なるデータを同じ基準に合わせる)。

3. 45°ラインへの距離を測る。

 

↑ごめんなさい、これだけだとさっぱりわからんね( ̄▽ ̄;)。。。

 

 

まず、「相関図の中心を平均に揃える」作業をします。

 

これは統計のお話の最初に説明した偏差(平均からのズレ)の計算です。それぞれの合計が0になるようにデータの書き直しを行います。

 

06_640x511

  

平均を計算する

 

A社:(809511012590100)÷6100

 

B社:(8010211710599103)÷6101

 

 

偏差を計算する

 

80100=-2095100=-5110100101251002590100=-101001000

A社 -20、-51025、-100 となる(平均値100からのズレ)

 

80101=-21102101111710116105101499101=-21031012

B社 -211164、-22 となる(平均値101からのズレ)

 

 

次に、「バラツキを合わせて同じモノサシで図る(尺度の異なるデータを同じ基準に合わせる)」作業をします。

 

これは、四角形をイメージしていただきたいのですが、異なる標準偏差を持つA社とB社の株価は、このままだとバラツキが異なるため、標準偏差が大きいほうが長く、標準偏差が小さいほうが短い長方形の形をしています。もちろん、標準偏差が同じであれば正方形になりますよ(ここでは、式を簡略化するため、標準偏差まで計算せずに、分散まで出します。共分散という計算を行います)。

 

07_640x284

 

これを正方形に直して同じモノサシで図れるようにしてあげましょう。正方形に直すことによって、正方形の左下から右上に線を引くと、45°のキレイな直線が引けますね。プロットしたA社とB社の株価の交差する点に向かって、縦×横でそれぞれの四角形の面積を求め、この45°ラインへの近さを測ってあげればよいのです。

 

共分散の式は、

 

共分散 = (A社の株価-A社の平均株価)×(B社の株価-B社の平均株価)の合計÷株価データ数となります。

 

分散を計算する

 

A社 (-20)×(-20)、(-5)×(-5)、(10)×(10)、(25)×(25)、(-10)×(-10)、(0)×(0

400251006251000

 

B社 (-21)×(-21)、1×116×164×4、(-2)×(-2)、2×2

44112561644

 

 

偏差どうしの積を計算する

 

A社:400251006251000

B社:44112561644

400×44117640025×125100×25625600625×1610000100×44000×40

 

 

A社とB社の分散の合計を計算する

 

A社の分散は、4002510062510001250

B社の分散は、44112561644722

A社:1250B社:722

 

ここまでの計算を以下の表にまとめました↓

Soukan2

 

共分散は右下の695になります。A社の偏差とB社の偏差を掛けたものが一番右の列です。ちょっと計算を簡略化したけど、平均からのズレどうしを掛けたものを全部足した数字が共分散:695です。

 

 

最後に、「45°ラインへの近さを測る」作業をします。

 

3ステップでは、A社株価とB社株価の交差する点、すなわちプロットした点までの誤差どうしを掛け算することで四角形の面積を求めます。

 

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共分散を使って異なる2つの変量xA社株価)とyB社株価)を算出しました。しかし、ここで1つ問題があります。それは、「共分散の値は使用するデータの単位に依存してしまう」ということです(たとえば身長と体重、体重と食べる量など)。よって、共分散の値だけで相関の有無を議論することは非常に危険なことなのです。

 

そのため、相関を、単位に依存しないように客観的に示す値が必要になります。手順としては係数rxyで示される相関係数(Pearsonの積率相関係数)を使って相関を客観的に評価することになります。これがいわゆる3番目のステップ「45°ラインへの近さを測る」です。イメージとしては、A社株価とB社株価の交差するポイント、すなわちプロットした点までの誤差どうしを掛け算することで四角形の面積を求めます。

 

相関係数の式は、

 

相関係数 = (A社の株価とB社の株価の共分散)÷(A社の株価の標準偏差×B社の株価の標準偏差)となります。

= A社とB社の分散の合計÷√(A社の株価の分散)×(B社の株価の分散)

= 695÷√1250×722

= 695÷√902500

= 695÷950

= 0.731579

 

よって、相関係数は 0.731579 となります。

 

 

Soukan3

表計算ソフト使うと今やった計算を一瞬でやってくれるので、いちいちこんな計算覚えなくてよろしいかとw

 

ただし、今行った計算の過程から非常に多くの弱点を見つけることができます。ロングショートといえば...サヤ取りといえば...「相関係数」を重視して取引をする人が多いと思いますが、「相関係数」には実は多くの問題点があります。

 

まず、相関係数は元のデータ(相関図)を45°のラインに合うように変換し算出した値なので、「元のデータの傾きは相関係数からはわからない」ということ。すなわち、一方のデータ(A社の株価)が、他方のデータ(B社の株価)に与える変化の大きさがわからないということです。


次に、相関係数は、「直線(一次関数)の関係しか表すことができない」ということ。よって、Uの字を描くような曲線(二次関数)の相関図や2系列の直線関係をもつ相関図、グループ同士が2つの塊になっている相関図などは考慮されていないということです。


3番目に、データ数が少なすぎると、「偶然」の発生する確率が高くなってしまいます。以前も正規分布のところで説明しましたが、データ数は少なすぎると本来の必然性が正しく反映されない可能性があります。


4番目に、相関係数は相関図と合わせて用いるべきです。これは上述した3つの理由でもありますが、元のデータがどのような形状になっているかを確認しないと相関係数だけでは読み取れなかった情報に気付かない可能性があるためです。


最後に、相関係数は、必ずしも「因果関係を表した数値ではない」ということです。冒頭の説明の例では「風が吹くと桶屋が儲かる」の話を思い出してほしいのですが、たとえば、「健康食品を買う人」と「風邪をひきやすい人」の間に高い相関関係があれば、健康食品はインチキだということになってしまいます。むしろ話は逆で、「風邪をひきやすい人」ほど「健康食品を買う傾向にある」のかもしれません。同様に「メガネをかける人」と「試験の成績」も同じです。これも話は逆で、「目が悪くなるくらい勉強したから成績がよかった」のかもしれません。メガネのCMとかで、「このメガネをかければ成績が良くなりますよ~♪」という宣伝があったら、「ホントかよ~w」ってなるでしょ?このあたりは、いくらでも相関を利用して嘘をつくこともできてしまうので注意が必要です。

 

ということで、ここでt分布表[3] を使って相関係数の検定をします。この表と比較して、計算値(絶対値)が検定表より大きければ、「変量xyの間には相関関係がある」ということになります。なお、「0.05%≦計算値」ならば「有意」、「0.01%≦計算値」ならば「高度に有意」といい、計算値の右肩に「*や「**をつけます。

 

例の場合、株価データは6個なので自由度は462、相関係数の場合は自由度が-2になります[3])です。計算した相関係数は0.731579でした。自由度462)は、相関係数検定表[4]よりそれぞれ0.950000.05)、0.990000.01)です。

計算した相関係数は0.731579でしたから、「0.950000.731579」×→「0.950000.731579」○⇒「有意」でない、「0.990000.731579」×→「0.990000.731579」○⇒「高度に有意」でない、となります。

 

ということで、検定の結果、残念ながらxyの間には「相関係数がある」とはいえないようですね。

次は、「回帰分析」を使ってプロットした株価データが、回帰直線にどのくらいの精度で説明されているかを説明します。

 

[1] 「盲人」という表現が差別用語にあたるか調べてみましたが、そのような放送倫理規定はないらしいので、江戸時代当時の表現を用いることにしました。なお、現在の表現では「視覚障がい者」の方に該当する言葉ですが、当ブログでは「目の見えない人」と記載することにしました。

参考URL http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000030619

[2] 相関は、必ずしも因果関係が証明されるものではない。数字だけを過信せずに言葉と言葉の行間もしっかり読むこと! 

[3] 相関係数を出すためには、変量xyという2つのデータの平均を基準としており、これらの平均は、全ての対象データの計算結果から導かれる。この2つの値は、標本全体からの計算結果として導かれるため、実際は、この2つの平均分を抜いた「n2」が検定の対象となる。このように、ある何らかの関係式において対象の数から、計算によって得られる値の数を引いた値を「自由度」という。したがって、相関係数のt分布は、自由度「n2」のt分布に従うことになる。

[4] 相関係数検定表は無相関検定という手法に基づいて作成されたもの。株取引でいえば、過去半年間のデータ数が20営業日×6か月だとすると120本、1年間だと240本。120本のデータを何らかの相関関係があるというためには0.18以上、240本だと0.16以上あれば何らかの相関があると認められる(以外とハードルが低い)。以前、【正規分布】のところでも書きましたが、ここでもやはり最低でも過去半年間くらいのデータまでは遡って検証したほうがよさそうだということがわかりますね。


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2013年12月16日 (月)

統計についてのお話 【まとめ①】


【まとめ①】


ここまで【偏差】【変動】【分散】【標準偏差】【正規分布】【標本と推測統計】と書いてきましたが、ここで要点だけまとめておきます。

 

偏差

 

偏差とは、個体の値から平均値を引いて得られる値のこと、すなわち、偏差とは「平均値からのズレを表した数値」のことである。

 

 

変動

 

偏差をすべて足すと、それぞれの個性が持つ平均からのズレ(プラスとマイナスどおし)が打ち消し合って、値が0(すなわち平均値)になってしまうため、それぞれの偏差(平均値からのズレ)を2条してから足し算をするようにする。

 

 

分散

 

分散は、「データの範囲が平均からどのくらいの広さに散らばっているか」を表した数値である。つまり、データが散らばっている広がりの範囲を数値化したものが分散である。

 

 

標準偏差

 

分散の正の平方根(ルート:√)を標準偏差という。√する理由は、2つある。

1つは、分散のままだとデータが大きすぎるので、株価データの幅として採用することができないから。

もう1つは、」(偏差)2という単位になっているため、元の変量データに戻してあげる必要があるから。

 

 標準偏差は山の高さと横幅、すなわちブレ幅の大きさを合わせてあげることで、標準偏差の大きい銘柄の片張り投資になるのを防ぐために行う必要がある。これにより、一方の銘柄が他方の銘柄に対して十分なヘッジ効果を高め、マーケットに対してニュートラル(中立的)なポジションが組めると考えられる。

 

 

正規分布

 

本来は、現実に起こった分布を当てはめて分析を行うべきだが、理論的には関数のわかっている分布でないと分析ができなくなる。そのため、関数のよくわかっている正規分布を仮定として用いる。つまり、分散が有限であれば、「あらゆる分布の平均は、標本数の増加とともに正規分布に近づく」という「中心極限定理」の特徴を使って推測統計を行う。このとき、データ数が少ないと、中心極限定理の特徴がうまく作用せず、分析データの信頼度が低下してしまうため注意が必要。また、中心極限定理の特徴には「データ数が多ければ多いほど、標本平均は母集団平均に近い数値をとる可能性が高くなる」という「大数の法則」がある。

 

 マーケットは正規分布ではない。そのため、あくまでも正規分布であると仮定として中心極限定理の特徴を利用するために用いる。よって検証結果と実際のデータの間には一定の誤差が生じる。この問題は解決できないが、推測統計によって誤差を埋めていくことにより、推測値を大幅に改善することができるしかし、データ数が一定以上ないと、「偶然」の発生確率が上がり、推測統計に十分な信頼が得られない可能性が高い(想定外の誤差が発生する可能性が上がる)。よって、最低限6か月、できれば1年以上のデータ標本を用意するのが望ましいと考えられる(6か月は信用倍率の決済期限でもあるため、やはり最低限6か月以上は遡ってデータ収集すべきだと考えられる)。

 

 

標本と推測統計

 

世の中に存在するデータは有限であるが、母集団そのもののデータを知ることはほぼ不可能である。そこで、「標本から母集団の性質を間接的に推測する」必要がある。正規分布の中心から見た範囲の大きさを指定してあげれば、その範囲の中に標本平均が含まれる確率を推測することができる(区間推定)。

区間推定により、正規分布は、「中心から±標準偏差分の範囲内(σ1)に全データの68.3%を、±2個分の標準偏差分の範囲内(σ2)に全データの95.44%を、±3個分の標準偏差分の範囲内(σ3)に全データの99.74%を含む」という特徴を持っていることがわかる。

一般的には、標準偏差±2個分の95.44%を用いるのが習慣となっていて、正規分布表を参照すると、信頼区間の範囲が95.44%になるのは、標準偏差1.96倍のときであることがわかる。このとき、母集団平均がわからず、標準偏差が算出できない問題がある。標準偏差=√分散であるが、このとき、データ数30個以上のものに関しては「大標本法」を用いて標本の分散を母集団の平均とみなして使うことができる。

 

 一定のデータ数を用いて、推測統計によって得られたデータは、「理論的には、正規分布を前提としているものの、現実的に、平均からの誤差は正規分布から大きく離れた分布となる。そのため、あくまでも、ボラティリティを測る尺度として、√(誤差)2が使われている」という点に注意。この辺りに金融工学の限界があると思われる。

 

以上

 

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2013年12月15日 (日)

統計についてのお話 その⑦【ボリンジャーバンド】


【ボリンジャーバンド】

 

データ分析は本来であれば、現実に起こった分布を当てはめて分析を行うべきですが、理論的には関数のわかっている分布でないと分析ができません。そのため、マーケットでは関数のよくわかっている正規分布を仮定として用いることになります。つまり、分散が有限であれば、「あらゆる分布の平均は、標本数の増加とともに正規分布に近づく」という「中心極限定理」の特徴を使って推測統計を行います。また、中心極限定理の特徴には「データ数が多ければ多いほど、標本平均は母集団平均に近い数値をとる可能性が高くなる」という「大数の法則」があります。


正規分布は、「中心から±標準偏差分の範囲内(σ1)に全データの68.3%を、±2個分の標準偏差分の範囲内(σ2)に全データの95.44%を、±3個分の標準偏差分の範囲内(σ3)に全データの99.74%を含む」という特徴を持っています。

 

以上は前回までの復習です。このように「マーケットが正規分布であると仮定して、推測統計を行い信頼区間の分析を行う」。この考え方を応用したものがトレンド系のテクニカル指標である「ボリンジャーバンド」です。本来は順張りに使われるために開発されたものらしいのですが、逆張りに使う投資家が多いです。私も、サヤの拡大幅・縮小幅を見る指標として逆張りで「あくまでも参考までに」使っています。これについてはコラム【逆張り投資の注意点】をご参照ください。

 

±1σ    68.3%

±2σ   95.44%

±3σ   99.74%

 

 

68.3% n日の移動平均 ± n日の標準偏差 × 1

95.44% n日の移動平均 ± n日の標準偏差 × 2

99.74% n日の移動平均 ± n日の標準偏差 × 3

 

 

±1σ n日の移動平均 ± n日の標準偏差 × 1

±2σ n日の移動平均 ± n日の標準偏差 × 2

±3σ n日の移動平均 ± n日の標準偏差 × 3

 nには20日が使用される事が多いです。

 

というちょっと特殊な使われ方をしています。


注意点として、「理論的には、値動きの正規分布を前提としているものの、現実的に、平均からの誤差は正規分布から大きく離れた分布となります。そのため、あくまでも、ボラティリティを測る尺度として、√(誤差2が使われているに過ぎない」ということを何となくいいので覚えておいてください。


平均+誤差の標準偏差という考え方は金融の世界には昔からあります。たとえば、オプション取引の価格を決めるときに使われているブラック・ショールズ方程式もこの考え方に基づいています。何度も言いますが、マーケットは正規分布にはなりません。そのため、「正規分布を前提として作られたこの方程式から算出された価格は現実の世界では成立しない」という批判があります。ボリンジャーバンドも同様ですが、この辺りにテクニカル分析、ひいては金融工学の限界があるように思います。

 

ボリンジャーバンドは通常、トレンドが出ているときは「順バリ」(終値が上のバンドを上抜いたら買い、下のバンドを下抜いたら売り)、レンジ相場のときは「逆バリ」(終値が上のバンドを上抜いたら売りシグナル、下のバンドを下抜いたら買いシグナル)として投資判断に利用されます。ロングショートは「人工のレンジ相場」を想定してトレードしているから逆張りで使います。

 

Bollinger_bands

↑こんなかんじ。右の2つがそれぞれ20日移動平均の±σ2です。


 

【ボリンジャーバンドの計算式】

 

まず、t時点におけるn期間の移動平均線(単純移動平均線、Simple Moving Average)、SMAn,t)の計算式は、

 

SMAn,t)=(XtXt-1Xt-2+…+Xt-n+1)÷n

 

次に、t時点に至るn期間の価格の標準偏差σtを計算する。

 

移動平均線に対する乖離幅をkσt(ここでkは任意の定数、例:23)とする上のバンドラインの線UBBn,t)は、

 

UBBn,t)=SMAn,t)+kσt

 

下のバンドラインの線UBBn,t)は、

 

UBBn,t)=SMAn,t)-kσt

 

となる。


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統計についてのお話 その⑥【標本と推測統計】


【標本と推測統計】

 

世の中には多くのデータがありますが、それらのデータは有限であるものの、私たちは母集団そのもののデータ(一定期間の全TICKデータなど)を知ることはほぼ不可能です。そこで、「標本から母集団の性質を間接的に推測する」という推測統計の方法を説明します。具体的に株価分析では、標本データは「日足データの終値」を使用することになります。

 

まず、注意点として2つあります。1つは、標本と母集団は区別して考えること。そしてもう1つは、「標本は母集団の一部に過ぎないため、100%の精度ではない」ということです。正規分布のところで書いた「中心極限定理」を思い出してください。分散が有限であれば、「あらゆる分布の平均は、標本数の増加とともに正規分布に近づく」という特徴がありましたね。あくまでも近づくのであって、正規分布にはなりません。


たくさんの標本を作って平均値を出せば、標本の平均値の分布は正規分布に近くなりますね。そこで、正規分布ではないけれども、正規分布に当てはめて考えてみます。つまり、正規分布だと仮定して考えていくわけですから、「標本平均から母集団平均を推測する」という作業が必要になります。

 

01_640x464_2


ここで、正規分布の山をイメージしてください。正規分布の中心から見た範囲の大きさを指定してあげれば、その範囲の中に標本平均が含まれる確率を推測することができます(これを区間推定といいます)。

この区間推定とは、「ある結果を、ある一定の広さの範囲と、その範囲に含まれる確率の組み合わせ」によって推定する方法」です。区間推定において、推定値を含む区間のことを「信頼区間」といいます。

今、私たちには母集団がどんな形状の分布になっているかわかりません。しかし、標本平均はわかっています(この標本平均は、母集団平均に近いのか遠いのかはわかりません)。

そこで、標本平均が取り得る範囲を広げてみます。標本平均が取り得る範囲、つまり信頼区間を広げていけば、その中に母集団平均が含まれる確率が上がっていきます。

 

では、どれほど区間の幅を広げれば、どれだけ確率が上がるのか?


±1σ 68.3%

±2σ 95.44%

±3σ 99.74%

 

正規分布は、「中心から±標準偏差分の範囲内(σ1)に全データの68.3%を、±2個分の標準偏差分の範囲内(σ2)に全データの95.44%を、±3個分の標準偏差分の範囲内(σ3)に全データの99.74%を含む」という特徴を持っています。


一般的に、統計の世界でもマーケットの世界でも、標準偏差+-2個分の95.44%を用いるのが習慣となっています。「正規分布表[1]」という、この分布のためだけに作られた特殊な表を見れば、信頼区間の範囲が95.44%になるのは、標準偏差1.96倍のときです。

 

さて、ここで問題が発生します。標準偏差をどうするか?標準偏差の1.96倍に95.44%のデータが入るだろうということはわかっても、標準偏差がわからないと、正規分布の横幅がどのくらいなのかわかりませんね。標準偏差の求め方は、√分散でしたよね。では分散はどうやって出したらいいのでしょう?


この場合は「大標本法」といって、標本の分散を母集団の平均とみなして使います。最初に標本と母集団を区別するように書きましたが、分散については、データ数が30以上ならば、結果はそれほど変わらないということが統計学的に証明されています(30以下の場合は、t検定という方法を使います)。

 

ここで、A社の株価の例を思い出してください

 

~~~~~~前回までの復習~~~~~~

標準偏差の算出方法

~~~~~~ここまで~~~~~~

 

大標本法を使うとこんな感じになります↓

 

A社の過去半年分のTICKデータを母集団とすると、それは現在の株価平均を母集団平均として、母集団の標準偏差が≒14.43の正規分布をしていたとする。この場合の95.44%の信頼区間(±σ2個分の標準偏差の範囲内)を求めてみます。

 

大標本法では、母集団平均がわからなくても標本平均を使って推定するのでしたね。だから標本平均の標準偏差に≒14.43を使います。株価の平均が、(809511012590100)÷6100。データ6個の標本平均は100ですね。ここでは、求める母集団平均はμの記号を使います。

 

95.44%の信頼区間を求める不等式を作る。

1.96 ≦ (標本平均-母集団平均μ)÷標準偏差 ≦ +1.96

よって、不等式は、

1.96 ≦ (100-μ)÷14.43 ≦ +1.96

を満たす母集団平均の範囲を求めればよいということになります。

14.43×(-1.96) ≦ 100-μ ≦ 14.43×(+1.96

28.2828 ≦ 100-μ ≦ 28.2828

10028.2828 ≦ μ ≦ 100+28.2828

よって、71.7172 ≦ μ ≦ 128.2828 となる。

 

はい、過去半年間の月末の終値データを使ってTICKデータのブレ幅を予測しました。ここから、おそらくA社の株価は過去半年間で71円~128円の中に95%のTICKデータが入っているらしいということがわかりました。

 

思い出してください(何度もすいません)。

例:A社の過去半年間の株価は、80円、95円、110円、105円、90円、100円だったとする。

 

A社の平均値が100円、最高値が110円、最安値が80円(平均からの誤差:-20円~+10円)ですから、71円~128円(平均からの誤差:-29~+28円)の中にだいたい納まっているようですね(少し誤差が気になるところですが)。今はデータ数が6個しかなかったけど、これを増やしていくと最安値が71円、最高値が128円くらいにどんどん近づいていきます(理論上は)。その理由は、中心極限定理の特徴である「大数の法則」を思い出してください。「データ数が多ければ多いほど、標本平均は母集団平均に近い数値をとる可能性が高くなる」でしたよね。

 

次は、この考え方を応用した「ボリンジャーバンド」というトレンド系のテクニカル指標についてざっくり書いてみますよ♪


[1] 正規分布表

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統計についてのお話 その⑤【正規分布】


【正規分布】

 

株価のデータをたくさん集めてヒストグラムを作ると、ある決まった形(分布)が現れます。

                             

01_640x464


本来は、現実に起こった分布を当てはめて分析を行うべきなのですが、理論的には関数のわかっている分布でないと分析ができなくなってしまいます。そのため、関数のよくわかっている分布を使って分析を行います。一般的に、マーケットの世界では正規分布がもっともよく使われています。正規分布は、釣鐘型のキレイな左右対称の分布です。

 

パチンコを例にとって説明します。パチンコ玉を上から真下に落とすと、パチンコ玉が1番上の釘に当たって左右のどちらかに移動します。確率は1/2。次にそのパチンコ玉が、2番目の釘に当たって左右のどちらかに移動します。これも確率は1/2。さらにその玉が、3番目の釘に当たって左右のどちらかに移動します。これも確率は1/2

 

02_542x640


同じように、たくさんのパチンコ玉を次から次へ真下に落として行くと、最終的には落した場所の真下にもっとも多くの玉が積み上がり、そこから左右になだらかなカーブを描きながら丸い山型の分布ができあがります。これが正規分布です(正確には2項分布といいます)。これはあくまでも一例ですが、分散が有限であれば、「あらゆる分布の平均は、標本数の増加とともに正規分布に近づく」という特徴があります。これを「中心極限定理」といいます[1]


また、中心極限定理には「大数の法則」という特徴があります。これは、1つの母集団から、一定数のデータを取り出し、その標本平均を作るとき、「データ数が多ければ多いほど、標本平均は母集団平均に近い数値をとる可能性が高くなる」というものです。大数の法則は保険商品の設計の際などに使われている確率の考え方で、加入者のうち、何人くらいが事故に遭ったり死亡したりするのかを推測するときに使われています。

 

ここで一定数のデータがどのくらい必要なのかということですが、株価データの取得期間を3か月とか短い期間にすると、データ数が少ないためこの法則がうまく働かず、あまり精度の高い分析ができなくなる可能性があります(株価データ数が多くなっていくと、「必然」に正規分布に近づくものの、株価データ数が少ないと、「偶然」に発生する値の割合が増えすぎて歪んだ分布データとなり、分析データの信頼度が低下するため。そのため、「中心極限定理」の持つ特徴を利用できない)。


どういうことかというと、釘の段数とパチンコ玉の数が少なすぎると「偶然」の発生する頻度が高くなってしまい、データの分布が歪んでしまう可能性が多いにあり得ます。正規分布を使って分析する上で、パチンコ玉の数と釘の段数はある程度の数がないと「必然」の法則が役に立たないのです(>_<)。。。

 

以上の理由から、マーケットの分析をする場合、株価データの取得期間を6か月とか1年くらいは遡ったほうがいいということになります。データの取得期間は「信用取引の期限が6か月だからそれ以上の期間のデータを取得する」という理由だけではなく、「一定期間のデータ数がないと「偶然」によって信頼に足りるだけの結果が出ない可能性が高い」という理由もあります。こういった観点からも、最低限6か月(できれば1年)以上はデータを取得するようにするべきでしょうね。

 

では今度は、パチンコの釘の位置はそのままで、釘の長さを横に長くしてみましょう。

 

03_640x491


今度は、山の裾野がだいぶ広がりました。ここからわかることは、散らばり具合が広がったということです。株価でいうと、値動きのブレ幅が大きくなったということですね(大丈夫だと思いますが、この山の端と端の意味は、最大値と最小値ではないですよ。

理論上、この山は永遠に続きます、いつまでもどこまでも...

偏差の例を思い出してください。A社の株の過去半年間の偏差が、-20、-51025、-100だったから、平均値100円からのブレ幅は14円くらい(86円~114円)だろうっていう説明のところね。)。

 

この山の裾野の長さが標準偏差ってことです。イメージとしては、標準偏差は、「平均値から「散らばりの幅」」を数値化したものです。山の大きさ、つまり標準偏差の値を揃えるというのは、こういうことなのです。だから山の大きさを同じくらいの幅と高さに揃えてあげないと偏差(平均からのバラツキ)が大きいほうの銘柄の片張り投資になってしまうというのはこういうことです(ピアノのところでも説明しましたよね)。


04_640x406_2

 

正規分布は中心極限定理の考え方を応用してマーケット分析をする上で、もっとも使われている分布です。標準偏差という数字は、この分布に対して非常に良くできています。

というより、むしろ話は逆で、「正規分布に都合よくあてはまる数字として標準偏差が選ばれた」というのが実情でしょうね。理系の方は何となく納得がいかないと思いますが、統計学は100%の科学的手法ではありません。このあたり、統計学というのは、文系向きの数学なのかもしれませんね。

 

[1] ここではパチンコ玉を例に玉が右に行くか左に行くかを説明しましたが、コイン投げでも何度も何度もやれば表と裏が出る確率は2分の1に限りなく近づいていきます。丁半博打も同じように何度も何度もやれば丁と半が出る確率は2分の1に限りなく近づいていきます。株取引も同じ。何度も何度もランダムに売買を繰り返せば勝率は50%に限りなく近づいていきます(いくはずです)。

このあたり「過去5年で勝率100%です!!」みたいな謳い文句のセールストークには大いに疑問を感じるところですが

 

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2013年12月12日 (木)

統計についてのお話 その④【標準偏差】


【標準偏差】

 

分散の正の平方根(ルート:√)を標準偏差といいます。√する理由は2つあります。

1つ目は、分散のままだとデータが大きすぎるので、株価データの幅として採用することができないからです(例を思い出してください、分散は208でしたね。過去半年間の月末の終値が、80円、95円、110円、105円、90円、100円。最高値が110円(平均値100から10円のズレ)で最安値が80円(平均値100から20円のズレでしたから、ブレ幅はせいぜい1020円の間くらいでしょう。分散の208という数値は大きすぎますよね)。

そして2つ目は、偏差を2条した値が分散だったので、このままだと単位が違いますね。この時点での単位は、「株価変動幅」ではなくて「(株価変動幅)2」となっています。


そこで分散の√をとる処理を行うことで株価データの範囲として使えるようにします(√することによって、標準偏差は単位が変量と同じになります)。また、2条から計算した標準偏差は、次に説明する正規分布にあてはめやすいからです。

 

~~~~~~前回までの復習~~~~~~

例:A社の過去半年間の月末の終値が、80円、95円、110円、105円、90円、100円だったとする。

 

単純平均を出す。

809511012590100)÷6100

平均は 100 となる。

 

偏差を出す。

それぞれの値から平均100を引いてあげる。

80100=-2095100=-5110100101251002590100=-101001000

偏差はそれぞれ、-20、-51025、-100 となる(平均値100からのズレ)。

全部足すと、(-20)+(-5)+1025+(-10)+00

これだとブレ幅がわからない。

そこで、偏差を2条してから足し算する。

(-202+(-52+(+102+(+252+(-102+(+02

400251006251000

1250

変動 1250 個体数 6

変動を個体数で割る。

1250÷6208.3333…..

よって、分散は ≒208.33 となる。

~~~~~~ここまで~~~~~~

 

分散は ≒208.33

ルートする

208.3314.4336…..

よって、標準偏差は ≒14.43 となる。

 

過去半年間のA株のブレ幅は14円くらいです。例を思い出してください。過去半年間の偏差が、-20、-51025、-100でしたから、(平均値100円からの)平均のブレ幅はだいたい14円くらい(86円~114円)だろうってことがわかりますね。

これは月足データの終値をイメージして作った例題ですが、通常は日足の終値のデータを使います(理由は、翌日のマーケットオープン時に仕掛けるため、直前のデータがもっとも有効性が高いと考えられるから。また、マーケットオープン時に仕掛けるのは市場参加者が多く、流動性が高いため、約定値が飛びにくいから)。

日足でやったらデータ数増えますし、月足データの終値だけではわからなかった高値とか安値とかの情報が出てくるので、どんどん分析の精度が上がっていきますね。さすがに分足とかティックデータで分析したことはありませんが(たぶんパソコンがフリーズすると思うw)。

 

ここでわかるのが、ベンチマークであるTOPIXのブレ幅と比較して大きいのか小さいのかということ。大きいものは全体の市場平均値より変動するわけだから、(ベンチマークと比べて)相対的にハイリスク、小さいものは市場平均値より変動しないわけだから、(ベンチマークと比べて)相対的にローリスクということですね。


もう説明したから大丈夫だと思うけど、標準偏差は両銘柄の山の大きさを合わせるために使うものです。標準偏差の大きい方をショートにして、小さい方をロングにするわけではないですよw 大きい小さいという判断基準は、β値、信用取引倍率、PERPBRなどに使ってくださいね。混乱しないように!


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2013年12月11日 (水)

統計についてのお話 その③【分散】


【分散】

 

分散は、「データの範囲が平均からどのくらいの広さに散らばっているか」を表した数値です。つまり、データが散らばっている広がりの範囲を数値化したものが分散です。

 

変動(偏差平方和)は株価データ数が大きくなるにしたがって、値も大きくなっていきます(2条していくからね)。イメージしてみてください。2条するということは、平均値からのズレを表す偏差が小さい(株価変動が小さい)データであっても、2条していくと株価データ数が増えれば、それに比例して値も大きくなりますね。


その欠点を避けるために、個体数(全株価データ数)で割ってみましょう。

 

~~~~~~前回までの復習~~~~~~

例:A社の過去半年間の月末の終値が、80円、95円、110円、105円、90円、100円だったとする。

 

単純平均を出す。

809511012590100)÷6100

平均は 100 となる。

 

偏差を出す。

それぞれの値から平均100を引いてあげる。

80100=-2095100=-5110100101251002590100=-101001000

偏差はそれぞれ、-20、-51025、-100 となる(平均値100からのズレ)。

全部足すと、(-20)+(-5)+1025+(-10)+00

これだとブレ幅がわからない。

そこで、偏差を2条してから足し算する。

(-202+(-52+(+102+(+252+(-102+(+02

400251006251000

1250

よって、変動は 1250 となる。

~~~~~~ここまで~~~~~~

 

変動 1250 個体数 6

変動を個体数で割る。

1250÷6208.3333…..

よって、分散は ≒208.33 となる。

 

この値が分散となります。つまり、分散とは「平均値からのズレを2条して、全株価データで割った平均値(偏差の2条平均)」といえます。


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統計についてのお話 その②【変動】


変動】

 

偏差をすべて足すと、それぞれの個性が持つ平均からのズレ(プラスとマイナスどおし)が打ち消し合って、値が0(すなわち平均値)になってしまいますね...

そこで、全体の個性を調べるときは、それぞれの偏差(平均値からのズレ)を2条してから足し算をするようにします。このことを「変動」といいます(偏差平方和ともいう)。

 

~~~~~~前回までの復習~~~~~~

例:A社の過去半年間の月末の終値が、80円、95円、110円、105円、90円、100円だったとする。

 

単純平均を出す。

809511012590100)÷6100

平均は 100 となる。

 

偏差を出す。

それぞれの値から平均100を引いてあげる。

80100=-2095100=-5110100101251002590100=-101001000

よって、偏差は -20、-51025、-100 となる(平均値100からのズレ)。

~~~~~~ここまで~~~~~~

 

偏差はそれぞれ、-20、-51025、-100 となる(平均値100からのズレ)。

全部足すと、(-20)+(-5)+1025+(-10)+00

これだとブレ幅がわからない。

そこで、偏差を2条してから足し算する。

(-202+(-52+(+102+(+252+(-102+(+02

400251006251000

1250

よって、変動は 1250 となる。


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統計についてのお話 その①【偏差】


【偏差】

 

偏差とは、個体の値から平均値を引いて得られる値のこと。わかりやすく言うと、偏差とは「平均値からのズレを表した数値」のことです。


平均値は株価データ全体の代表値、つまり「標準値」のこと。よって、平均値からのズレを表す偏差は、株価データを構成する各個体(株銘柄)の「個性」(情報)であるといえます。

 

例:A社の過去半年間の月末の終値が、80円、95円、110円、105円、90円、100円だったとする。

 

単純平均を出す。

809511012590100)÷6100

平均は 100 となる。

 

偏差を出す。

それぞれの値から平均100を引いてあげる。

80100=-2095100=-5110100101251002590100=-101001000

よって、偏差は -20、-51025、-100 となる(平均値100からのズレ)。

 

ピアノをイメージしてみてください。ピアノには通常88個鍵盤があります。


Dsc_0435


ピアノを習う生徒さんは、おそらくバイエルから習い始めると思います(私たちの頃はバイエルだったけど、今は使わない先生も多いみたいですね)。

バイエルの最初の楽譜は真ん中を中心として、左半分の1オクターブ(ドレミファソラシド)は左手、右半分の1オクターブ(ドレミファソラシド)は右手を使って、簡単な曲から演奏の練習をします。つまり平均から近い範囲だけで手を動かします(偏差が小さい)。

ところが、練習が進むにつれ、どんどん難易度が上がっていきます。バイエルを卒業してどんどん上手になって、ショパンやリストの曲になると、もうマジでわけわかんないくらいに手を両サイドに広げて演奏する必要が出てきます(偏差が大きい)。


Dsc_0434


ちなみに、標準値から半音(0.5音)上げたものが#(シャープ)、平均値から半音(0.5音)下げたものが♭(フラット)です。この話、たぶん延々と続くのでここで止めますねw

 

ようは、何が言いたいかというと、バイエルの曲第1番と難易度の高い曲(例:ショパンの幻想即興曲、リストのラ・カンパネラなど)は手を動かす幅が全然違うわけです。


ロングショート(サヤ取り)の考え方もこれと同じで、同じくらいのブレ幅の銘柄を合わせてあげないといけないってことです。「バイエル第1番」株をロング、「ショパンの幻想即興曲」株をショートしてポジションを組むと、「ショパンの幻想即興曲」株の片張り(空売り)をしているのとあまり変わらなくなってしまうということね(空売り銘柄の偏差が大きいから)。


ブレ幅の大きいほうの銘柄の片張り投資になるっていうのはこういうことね。


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統計についてのお話 数学が苦手だった人向けに


【数学が苦手だった人向けに】


学生たちと話しててわかったんですが、試験問題は何となく解けるんだけど、計算している時の数字が何を意味しているのかさっぱりわからないと言われてしまいました...

 

そのため、理系の方には笑われてしまうかもしれませんが、なるべく文章を使ってざっくりイメージをまとめていきます(これは私自身もいつかやろうと思っていたので)。

私、学生時代に統計学の授業が意味不明な数式ばっかりでさっぱり理解できず、先生の話している日本語がさっぱり理解できず...図書館で簡単な本を何冊も読んでノートまとめて、練習問題をひたすら解いて解いて解きまくって単位取った人間です(当時は、何がわからないかがわからなかった)w

計算は、エクセルやSPSSなどの表計算ソフトを使えば簡単に答えが出るのですが、最低限必要そうな「考え方」を何とな~くでも理解してもらえれば十分です、覚えなくていいですから、マジで。私もいちいち覚えてないし( ̄~ ̄;)...

 

ほら、テレビつけるときにリモコンでチャンネルのボタン押せば画面切り替わるでしょ?どうして「1」を押すとNHKが映るのかいちいち考えなくても画面切り替わりますからね。この部分は表計算ソフトが代わりにやってくれますから。今から書く内容は、リモコンの中を分解して電子回路がどうつながっているのかという内容です。

Densikairo

 

学生のみなさんは社会に出たら直接計算することは少ないかもしれないけれど、経済データの分析とか、売り上げデータの分析とか、マーケティングの分析とか、いろいろな場面で計算ソフトのお世話になる場面が増えると思うので、最低限必要であろうと思われる「考え方」を、復習を兼ねて書いておきます。いや、むしろ自分自身の備忘録も兼ねてw

 

関数には、どんなデータを選んで入れても正確に計算して答えを出してくれます。でも、パソコンは言われた通りに計算するだけしかできません、結局のところデータを入れるのは人間ですからね、使用するデータ間違えないように...

 

こういう作業は数年ぶりですが、がんばってやってみます(汗)


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コラム その②【ココログにフェイスブックの「いいね」機能を付ける方法】

記事をわかりやすく書き直しました(こちらからどうぞ!)

【ココログにフェイスブックの「いいね」機能を付ける方法】

 

ココログユーザーの方へ

 

私のブログテーマとは全く関係ない話なのですが、ココログってフェイスブックの「いいね」機能付いてないじゃないですか...検索エンジンでいろいろ探してみたら、どうやらできるみたいなことが書いてあったので試しにやってみました。

で、結論から言うと、




できまし

1_2


やってみたけどうまくできなかった方は参考にしてみてください。

 

まず、フェイスブックにログインした状態で以下のサイトにアクセスします↓

https://developers.facebook.com/docs/plugins/like-button/

 

2_2

 

この中からレイアウト好きなやつ選んで、左下の「Get Code」クリックするとマジでわけわかんない暗号のような画面が出てきます。


4_2


ソースをコピペします(上半分はこのまま使えます。下半分は黒い●の部分はみなさんのURLをペーストしてください。間違えて私の入れちゃったら、みなさんのところに反映されないから気をつけてくださいねw)。

 


<div id="fb-root"></div>

<script>(function(d, s, id) {

  var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0];

  if (d.getElementById(id)) return;

  js = d.createElement(s); js.id = id;

js.src = "//connect.facebook.net/en_US/all.js#xfbml=1";

fjs.parentNode.insertBefore(js, fjs);

}(document, 'script', 'facebook-jssdk'));</script>


 

<div class="fb-like" data-href="●●●●●●" data-layout="standard" data-action="like" data-show-faces="true" data-share="true"></div>


 

ココログにログインして、管理タブをクリックし、記事の編集をクリックします。

 

5_3 

 

「いいね」ボタンを付けたい記事をクリックすると編集画面が出るので、記事右上の「HTMLの編集」をクリックします(これから書く記事はそのまま右上にボタンあります)。

 

6_2

 

再び、暗号のような...わけわかんない画面が出ます。

 

1番下とか適当に先ほどのソースをペーストします。そして確認→保存をクリック。


はい、うまくいかないw 


私ここでバンカーにはまりました

 

で...ここからなんですが、ソースを良く見ると、すべての記事★は、


<p class="MsoNormal"><span lang="EN-US">★★★★★★</span></p>


のようにわけのわからない「>」「<」に挟まれていることがわかります。

 

この、「>」と「<」の間(★の部分)に先ほどの上半分の



<div id="fb-root"></div>

<script>(function(d, s, id) {

  var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0];

  if (d.getElementById(id)) return;

  js = d.createElement(s); js.id = id;

js.src = "//connect.facebook.net/en_US/all.js#xfbml=1";

fjs.parentNode.insertBefore(js, fjs);

}(document, 'script', 'facebook-jssdk'));</script>



ソースをそのままコピペします。

 

すると、以下のようになります。


<p class="MsoNormal"><span lang="EN-US">

<div id="fb-root"></div>

<script>(function(d, s, id) {

  var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0];

  if (d.getElementById(id)) return;

  js = d.createElement(s); js.id = id;

js.src = "//connect.facebook.net/en_US/all.js#xfbml=1";

fjs.parentNode.insertBefore(js, fjs);

}(document, 'script', 'facebook-jssdk'));</script>

</span></p>

 

あとは、その下に残り下半分のソースをコピペします。

 

<div class="fb-like" data-href="●●●●●●" data-layout="standard" data-action="like" data-show-faces="true" data-share="true"></div>


すると、以下のようになります。


<p class="MsoNormal"><span lang="EN-US">

<div id="fb-root"></div>

<script>(function(d, s, id) {

  var js, fjs = d.getElementsByTagName(s)[0];

  if (d.getElementById(id)) return;

  js = d.createElement(s); js.id = id;

js.src = "//connect.facebook.net/en_US/all.js#xfbml=1";

fjs.parentNode.insertBefore(js, fjs);

}(document, 'script', 'facebook-jssdk'));</script>

</span></p>

<div class="fb-like" data-href="●●●●●●" data-layout="standard" data-action="like" data-show-faces="true" data-share="true"></div>

 

これで「確認」→「保存」をクリックすると、うまくいきます。

うまくいきますが、まだ1つ問題があります...

 

私のブログのURLは、 http://yudy-pon.cocolog-nifty.com/blog/ なのですが、これをコピペすると1つ「いいね」付けると、全部のボタンに「いいね」が付いてしまいます。


理由は、ココログの構造が、


ブログトップページ/西暦//記事コード

ブログトップページ

        ∟西暦

          ∟月

           ∟記事コードx

           ∟記事コードy

           ∟記事コードz


のようになっているためです。


解決策は、非常に面倒くさいですが、各ブログに対応するURL1つずつコピペする必要があります。

 

例えば、私が最初に書いた「数年ぶりに...」というタイトルのブログ。このブログのURLは、 http://yudy-pon.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-b4c1.html です。

 

"」と「"」に挟まれた●の部分には、http://yudy-pon.cocolog-nifty.com/blog/ ではなく、 http://yudy-pon.cocolog-nifty.com/blog/2013/11/post-b4c1.html に対応するものを入れてあげてくださいね。


URLがわからなくなってしまったら、右側の機能の中にある「このブログを見る」をクリックして、対応するページをコピペして「確認」「保存」「確認」「保存」、ひたすら繰り返しです。

 

はい、以上です。メチャメチャ面倒くさいですが、がんばってください!


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私のブログはかなりマイナーな内容なので、見る人自体少ないと思いますが。。。。

2013年12月 7日 (土)

コラム その①【グローバル社会と日本経済の未来について思うこと】


【グローバル社会と日本経済の未来について思うこと】

 

21世紀はグローバル社会、ヒト・モノ・カネ・情報が国境を越えて相互に行き来する時代。たしか小学校4年生くらいだったと思う(だから1992年くらいかな)、社会科の授業で、「近い将来、中国が巨大経済大国になる」、「NIESASEANと言った新興諸国(発展途上国)が経済発展を遂げて日本は追い越されてしまうかもしれない」みたいな事を先生が真顔で言っていたのを思い出す。

私は笑いながら言い返した。「そんなバカな、中国ってチャリンコ乗ってる人しかいないじゃないですか。東南アジアってエビとかしか特産品ないじゃんかw」みたいなね。

 


あれから20余年が経った。あの頃とは、すっかり世界が変わってしまった...


 

中国は2010年にGDPで日本を追い越し、アメリカに次ぐ世界第2位の経済大国に発展を遂げた。NIESは、韓国を例にとればSAMSUNGLG電子などの企業が輸出額を伸ばし、日本の家電メーカーに甚大なダメージを与えた(NECの株価が98円を付けたときは株価ボード眺めながらマジで泣きそうになった)。


かつて、「東を見よ、日本を見習え!」と当時のマハティール首相がルックイースト政策を掲げたASEANの一角であるインドネシアは、今やIT起業家たちにとって、オフショア開発の重要な拠点となりつつある。


そして、香港・シンガポール。都市国家という属性を持つこれらの国家は、自国で輸出資源を持たないため、世界中から優秀な頭脳という人的資源を輸入、アジアの金融センターというサービス財を輸出し、外貨を獲得するというビジネスモデルを構築していった。ビジネススクールの設立を積極的に誘致し、そこでMBAを取得した学生に就労ビザを付与し、国内で引き続き働いてもらい、国家の発展に寄与してもらう。まさに都市国家ならではの国家戦略だなと驚くばかりだ。

今や、香港とシンガポールは多国籍企業にとって、アジアの最重要拠点となり、東京の地位は相対的に低下してしまった。また、かつては、世界の3大証券取引所といえば、東京(アジア)・ロンドン(ヨーロッパ)・ニューヨーク(アメリカ)であったが、今や香港・シンガポール(アジア)にその座を明け渡してしまったように思う。

 


一方、日本を見てみると、出生率の低下と医療制度の発達による少子高齢化社会の到来、それによる労働人口の減少、さらに労働人口の減少と増加する高齢者のアンバランスな比率が引き起こす年金問題など、様々な課題に直面している(まぁどこの国でも厄介な問題はあるんだけど...)。


たしかに、1980年代後半のようなバブルの時代は、株を買って長期保有しているだけで含み益が出た時代もあった。どこまでも続く一方通行の上昇相場。その波にうまく乗ることができれば、テクニカル分析の教科書どおり売買シグナルに従って売買をするだけで、極端な話、誰がやっても面白いくらいに利益を上げられる相場だ。まぁ数年ごとにありますよね、こういう相場が(2005年~2007年くらいは、投資資金を10倍、20倍に増やした投資家の方が少なからずいると思う)。


しかし、2020年の東京オリンピックが終わった後の日本の成長戦略を考えると、私は個人的に日本の株式市場全体が緩やかに下降していくような気がしてならない。長期戦略が読み取れないのだ[1]。また、外国人投資家の日本株に対する興味も低下し、取引高が減少していくように思う[2] 


日本という国は、そもそも発展途上国から資源を調達して、それらを加工して製品を作り、それに付加価値をつけて先進国に売る、すなわち「世界の工場」になることによって、サヤ取りを行い、外貨を獲得してきた国家だ。いわゆる「加工貿易」というビジネスモデルによって、経済を発展させてきた経緯がある。しかし、1973年の変動相場制の導入以来ドル円のチャートを眺めると年々、少しずつ円高が進行していることがわかる(最近は円安になっているけど。どこまで持つのかな?[3])。[4]

Chart_2

出典:「日本銀行ホームページ」http://www.stat-search.boj.or.jp/ssi/cgi-bin/famecgi2?cgi=$graphwnd


円高になると何が起こるかというと、モノを海外に売る時に、粗利率が減ってしまうこと、そして相対的に通貨安の国家と勝負したときに、価格競争で負けてしまうことだ。


そこで経営者は次のように考える。「安く人件費を調達するために、円と比較して相対的に通貨安の国に工場を作ってモノ作りをすれば、原価を抑えて粗利を増やすことができるようになる」、と。すなわちそれは、日本国内の工場が閉鎖され、そこで働く労働者の人たちが就業機会を失うことを意味する。言い換えれば、「失業輸入国」・「雇用輸出国」になってしまうということだ。


残念ながら将来、日本が「モノづくり国家」として再び世界の工場の地位を取り戻すことは難しいだろう。さらにこれから先、予想される人口減少は、国内のマーケットの縮小をもたらすことになるだろう。日本の企業は(内需産業も含めて)、国境・言語・文化の壁を越えて世界を相手に販路を拡大し、商売をしていくということを、もっと積極的に考えていかなければならないと思うのだ。


アメリカはかつてモノ作り国家であったが、今はその国家戦略を知的財産輸出国家にシフトしている。特許権や商標権、著作権などのライセンサーとなり、OEM契約(委託生産)によってライセンシーであるNIESASEAN国家の工場でモノ作りを進めさせ、そのまま海外へ売ってライセンス料という名目で利益を得る。そのようにして、アメリカという国家は、自国にヘッドオフィスを構えながら[5]、遠隔操作によって遠く離れた諸外国からライセンス収益を得るビジネスモデルを構築させ、多くの多国籍企業を育んできた。


幸いにも、日本には多くの素晴らしい技術力を持った企業が数多くあり、そこで働く優秀な人材がたくさんいる。そう、名前もあまり知られることなく、業務の成果が適正に評価されず、定年間際に子会社への片道切符を受け取ることになるであろう旧態依然の仕組みの中に埋もれてしまっている優秀な人材が。そういった人たちを掘り起し、彼ら(彼女ら)を登用し、社内ベンチャーなどの仕組み作りをもっともっと活発に推進し、民間レベルでの構造改革を進めていかなければならないと思うのだ。


 

最後になるが、こんな言葉があったと思う。「最も強いものや最も賢いものが生き残るのではない。最も変化に敏感なものが生き残るのだ[6]」、と。生物の進化法則の中にも、企業存続の条件も見出せるのではないだろうか。


日本の政治家や企業幹部の方々が、柔軟な発想力を持ち、優秀な人材を活用して、時代の変化に取り組んでくださるよう心から願いつつ...

 

 

[1] 個人的に、メタンハイドレイトの採掘や再生可能エネルギーの活用には大いに期待しています。

[2] 私の長期予想はあまり当てになりませんがw

[3] 現在の円安になっている原因が、①「原発停止→火力発電フル稼働→化石燃料の輸入量増大→貿易赤字の発生⇒円安」にあるとすれば、原発再稼働を転換点として、「化石燃料の輸入量減少⇒円高」となりますかね。また、②「日銀による金融緩和→インフレ率2%上昇目標→2年後の達成⇒円安」にあるとすれば、2年後の金融緩和政策(継続⇒円安・中止⇒円高)が転換点になると考えられるでしょうかね。

[4] 赤:1973年の変動相場制導入後のドル円チャート、青:2010年を基準点とした実効為替レート。赤だけを見ると円高が極端に進行してるけど、青を見ると実はあまり変わってないようにも見える。でも、アメリカはドルの通貨発行量増やしまくってこの数値ですからね...

[5] 実際には、本社所在地をタックスヘイブン(租税回避地)に登記して、税率をコントロールしている企業が多い。

[6] 出典は「ダーウィンの進化論」ではないようですね。


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2013年12月 1日 (日)

ロング・ショートについてのお話 その③


お知らせ【ブログを移転しました

 

【銘柄選択の基準 その①】

 

ロングショートはいかなる相場状況であってもマーケットに対して、最適と思われる銘柄ペアを組み合わせ両建て取引を行うことにより、相場変動によるリスクをある程度吸収することが期待できる。これはマーケットニュートラル戦略の基本的な考え方となる

さらに、複数の銘柄に分散投資を行うことによって、個別銘柄同士のリスクをポジション全体から相対的に減少させる効果が期待できる(銘柄ペアを増やすほど「大数の法則」が働くため)。

なお、FXでロングショートを試してみたい方は、【FX(外国為替)を使ったサヤ取りは有効か?】を参照ください。

以下、3段階に分けて銘柄選択を行っていく。

 

 

 【ステップ1:取引市場・出来高・時価総額・売買代金の選択】

 

 

1. 日経平均採用銘柄など東証1部上場の大型株であること。

 

理由①:小型株だと出来高が小さく、売りと買いの価格差が大きく開いていることがあり、成り行き注文だと予定している価格で約定できないことがあるため。また、小型株だと業績に問題があったり、ボラティリティ(株価変動率)が極端に高すぎることがあるため投資対象からは外す。

理由②:新興市場にも大型株は存在するものの、急騰・急落など予想外の動きをすることもあるので投資対象からは外す。

 

2. 出来高・時価総額・売買代金ともに大きい銘柄であること。

 

理由:出来高は1.と同じく、ある程度の流動性がないと思わぬ価格で約定してしまうため。時価総額や売買代金の小さな企業は、仕手筋が介入すると、値動きがメチャクチャになり、ペア銘柄との連動が崩れやすい。そのため仕手筋が簡単に介入できないような大型株であり、出来高・時価総額・売買代金ともに大きい銘柄を選ぶこと。

 

3. 現在株価が比較的低い銘柄を選択すること。

 

理由:一般的に、株価の安い銘柄はボラティリティ(変動率)が高くなる傾向にあるため[1]、高収益が期待できる。よって、ある程度のリスクを許容できればロングショート向きといえる。なお、株価が低い銘柄=低位株[2]ではない。株価が安くても大型株は存在する。ヘッジ取引であっても低位株のサヤ取りはリスクが高くなるため、1.で述べた大型株を選択するに越したことはない。

 

[1] たとえば、株価が「100円の銘柄×10」と株価が「1,000円の銘柄×1」を組み合わせた場合、みかけ上はニュートラルポジションが組めているようにも見える。しかし、「100円の銘柄」が1円上がると変動率は1%。逆に、「1,000円の銘柄」が1円上がると変動率は0.1%にしかならない。この場合、100円の銘柄の変動率は1,000円の銘柄の変動率の10倍となるため、「100円の銘柄×10」が1%動くと10円が動くことになり、「1,000円の銘柄×1」が1%動くと1円しか動かないというボラティリティーニュートラルの問題が生じる。こうなると、100円の銘柄の変動が大きすぎて、取引がうまく行かなくなる可能性が高い。すなわち、1,000円の銘柄がリスクヘッジとして機能しなくなるという意味。このため、ボラティリティを同じくらいの大きさに合わせる作業が必要となる。詳細は10.11.を参照のこと。

[2] 低位株の問題点として、低位株の中には仕手株が潜んでいる可能性が高い。仕手株は一般的に、浮動株比率が低く、「株価の安い低位株」で、「空売りが可能」で「発行株数が少ない」銘柄が選ばれることが多い。

防御策としては、低位株を取引対象にしたい場合、「空売りが可能」は前提条件として絶対にはずせないので、「発行株数が少ない」という部分に注目すれば、スクリーニングの際、「出来高の数値を大きめにする」ことで、ある程度回避できるだろう(大型株の銘柄ペアであればあまり気にする必要はないと思われる)。また、「標準偏差の数値を小さめにする」、などの方法も考えられる。他にもスクリーニングの際に、いろいろ工夫してみてください。

ロングショートの一番の恐怖は「又裂き現象」、つまり、ロングした銘柄が下がり、ショートした銘柄が上がってしまうこと。特に、ショートした銘柄が踏み上げによって爆上げしてしまったら、もはやサヤ取りどころではなくなってしまいます(いわゆる「コツコツドカン」というやつね)。ボラティリティの高い銘柄は、リターンが大きい分、リスクも大きいので、上記の内容を理解した上でトレードしてみてください。これけっこう大事です。。。


4. 賃借銘柄のみを抽出する。

  

理由①:ショート(空売り)できませんからねw

理由②:現段階では抽出した銘柄がペアとなる銘柄に対してロングになるかショートになるかわからないため

理由③:ロングも信用取引で行うことができるため。

理由④:賃借銘柄は信用取引、空売りができるという意味である程度の出来高が期待できる。そのため、ロングショートでは賃借銘柄のみを両建て取引するのが望ましいと思われる。


 

【ステップ2:銘柄をロング候補とショート候補に分類する】

 

 

5. 株価水準指数がベンチマークに対して、(相対的に)低い銘柄をロング候補に、(相対的に)高い銘柄をショート候補に分類する。

 

理由:株価指数とは、株価の値動きや株価の水準を示すために数値化されたもの。過去のある基準点の株価水準を決定し、現時点での株価水準が基準点と比較して高い水準か低い水準にあるかということを数値化したもの。この場合、基準点を6か月前とか1年前に設定する。6か月という期間は、信用取引の期限であるため、最低限このくらいは遡ったほうがよい。また、株価指数の水準は通常TOPIXをベンチマークに用いる。例えば、現時点の株価は1年前のTOPIXと比較した場合、相対的に割高であるのか割安であるのかを判断する、といった使い方をする。よって、ベンチマークの基準と比較した場合、TOPIXチャートの上にあるものがショート候補、下にあるものがロング候補となる。理論上は、TOPIXのチャートを挟んで割高なものはTOPIXチャートに向かって下落し、割安なものはTOPIXチャートに向かって上昇すると考えられるから[3]

↓こんなかんじ(1年間のTOPIXを基準点として、トヨタ自動車:7203と本田技研工業:7267を比較した場合。この場合は、ホンダをロングしトヨタをショートするということ)。

Kabukasuijun_2

[3] ヘッジファンドの謳い文句は、「ベンチマークに対して相対的にプラスリターンを目指すアクティブ運用に対して、いかなる相場状況であっても絶対リターンを目指す」とされているものの、結局は上場株を取引する以上、ベンチマークを挟んでポジションを連動させてスライドしていかないとニュートラルポジションが組めないと思うのですが。これはおそらく文字通りの「絶対」という意味ではなくて、「相対」という言葉に対抗する表現くらいに解釈するべきなのでしょうね。

割高銘柄グループと割安銘柄グループはベンチマークに対して相対的に決定されるわけだから、ベンチマークを基準にペッグしてあげないと、(ボックス相場ではまぁ...上手く行くかもしれませんが)、上昇相場や下落相場ではロスカットの嵐になりますよwww

 

6. 信用倍率がベンチマークに対して、(相対的に)低い銘柄をロング候補に、(相対的に)高い銘柄をショート候補に分類する。

 

理由:信用倍率は、「信用買い残高÷信用売り残高」で算出される数値。信用倍率が高い銘柄は、株価が下がりやすい傾向にあり、逆に、信用倍率の低い銘柄は株価が上がりやすい傾向にある。そのため、信用倍率は、ロング銘柄は信用倍率が低いもの、ショート銘柄は信用倍率が高いものを選ぶ。なお、信用売り残高>信用買い残高となると、逆日歩(品貸料)が発生することがある。小型株(品薄株)だと極端な逆日歩が付く場合もあるため、やはり信用倍率の観点からも1.で述べた大型株を選択したほうがよい。

 

7. 株価収益率(PER)がベンチマークに対して、(相対的に)割安な銘柄をロング候補に、(相対的に)割高な銘柄をショート候補に分類する。

 

理由:PERPrice Earnings Ratio(株価収益率)とは、(株価÷EPS)で算出される数値。株価がEPSの何倍まで買われているかを数値化したもの。ベンチマークの基準と比較した場合、相対的にベンチマーク(TOPIX)より割高なものがショート候補、割安なものがロング候補となる。これは、参考までに使うくらい。根拠は、実績PERではなく、予想PERが使われるため。予想って経営者の裁量判断も入るわけですからね、数字に100%の客観性がないと考えられるからです。

 

8. 株価収益率(PBR)がベンチマークに対して、(相対的に)割安な銘柄をロングに、(相対的に)割高な銘柄をショートに分類する。

 

 PBRPrice Book-Value Ratio (株価純資産倍率)とは、1株当たりの純資産[4]に対し、株価が何倍まで買われているかを数値化したもの。ベンチマーク(TOPIX)の基準と比較した場合、相対的にベンチマークより割高なものがショート候補、割安なものがロング候補となる。これも、参考までに使うくらい。理由はPERと同じ。

[4] ここで使用される純資産とは、貸借対照表上の「純資産の部」から少数株主持分および新株予約権等を除去した金額、すなわち自己資本(株主持分)を意味する。

 

 

 【ステップ3:ロング候補とショート候補を組み合わせて銘柄ペアを作る】

 

 

9. β値(市場感応度)が同程度の銘柄ペアであること。

 

理由:β値(市場感応度)とは、市場全体の値動きであるベンチマーク(例として日経平均、TOPIXなど)に対し、個別銘柄がどのくらい変動しているかを数値化したもの。「(個別銘柄とベンチマーク変動率の共分散)÷(ベンチマークの分散)」で算出される数値。ベンチマークの絶対値「1」に対して、個別株が「1」の場合、ベンチマークが「5%」上がればその株も「5%」上がり、「5%」下がればその株も「5%」下がるという意味。したがって、採用するペア銘柄が1以上ならば、(ベンチマークに対して相対的に)ハイリスク、逆に1以下ならば(ベンチマークに対して相対的に)ローリスクとなる。

 ペア銘柄の変動を山の大きさに例えると、以下のようなイメージになる。β値を同程度に合わせないと、一方の銘柄が他方の銘柄に対して十分なヘッジ機能を果たせず、結果としてβ値の高い銘柄の片張り投資をしているのと同じことになってしまうため注意すること。

04_640x406

※ 参考 偏差変動分散標準偏差正規分布標本と推測統計まとめ①

※ 参考 数学が苦手だった人向けに

 

10. 過去の一定期間における株価変動率(ボラティリティ)が同じくらいの銘柄ペアであること。

 

理由:株価変動率(ボラティリティ)とは、「(過去の一定期間の最高値-過去の一定期間の最安値)÷過去の一定期間の最安値×100」で算出される数値(簡易式を使って説明)。たとえば、過去1年間の最高値が600円、最安値が300円だった場合、(600300)÷300×100100%、つまりボラティリティは100%となる。

理由は9.の説明と同様に、山の大きさを同じくらいの範囲に揃えてあげないと、一方の銘柄が他方の銘柄に対して十分なヘッジ機能を果たせず、結果として片張り投資をしているのと同じことになってしまうため注意すること。

※ 参考 偏差変動分散標準偏差正規分布標本と推測統計まとめ①

 

11. 過去の一定期間における両銘柄の株価変動係数が同じくらいの銘柄ペアであること。

 

 理由:株価変動係数は「標準偏差÷平均」で算出される数値。理由は9.10.の説明と同様に、株価変動にバラツキがありすぎると、一方の銘柄が他方の銘柄に対して十分なヘッジ機能を果たせず、結果として片張り投資をしているのと同じことになってしまうため注意すること。

※ 参考 偏差変動分散標準偏差正規分布標本と推測統計まとめ①

 

12. 相関係数がある程度高い銘柄ペアを組み合わせること(高すぎないこと)。

 

 理由:ペア銘柄に、ある程度の連動性がないとこのトレードはそもそも前提条件が成立しない。また逆に、相関係数が高すぎると、利幅が狭く、ローリスク・ローリターンとなり、利益に対して手数料の占める割合が高くなってしまうので注意すること。

ちなみに、サヤ取りのイメージをいろんな人に聞くと、「あー、知ってますよ。相関係数が同じくらいのペア銘柄を同時に買い建てと売り建てして、サヤが閉じたら決済するやつでしょ?」←正解です。正解なんですが、私は相関係数よりも、β値(市場感応度)や株価変動係数のほうがずっと重要だと思うんですよね...

 理由:この戦略の本質が、「ペア銘柄同士がリスクを打ち消し合うことにより、マーケットに対して、中立的(ニュートラル)な立場を取ることで、一方の銘柄が他方の銘柄に対しての保険機能を果たす」、というところにあるのだと考えるからです。イメージとしては、最適な合成ポジションを組むことによって、次から次へとボックス相場を作り続けていく感じでしょうかね。なお、相関係数の数値だけでは元データの情報が不足している可能性が高いため、相関図(散布図)と一緒に使うとよいだろう。また、回帰分析により、相関図の散らばり具合の平均を通る回帰直線を引くときは、決定係数を算出してデータの当てはまり具合まで併せてチェックするとよいだろう。

  参考 【相関分析と相関係数】【回帰分析と回帰係数回帰方程式と決定係数まとめ②

 

13. 値動きがなだらかに上下し、かつ周期的にうねりのある銘柄ペアであること。

 

 理由:サヤの伸縮に規則性があるため、このトレード向きといえる。いろんな本に目を通してみましたけど、イメージ図に書いてあるようなキレイな伸縮グラフの組み合わせは、なかなかないですよw これはね、実際トレードやってみればよ~くわかります。

この周期性の分析には、フーリエ解析という方法を用いて数値化することもできるが、裁量トレードの場合、チャートを用いて視覚的に判断するのがもっとも簡易的な方法となる。

 

以上まとめてみましたが、一般論としてはこんなところでしょうかね。計量分析のソフトのようにあまりにも厳密にやりすぎるときりがないので、項目をかなり削りましたが、ヘッジファンドの運用など実際のヘッジ取引をする上で、必要最低限重要であろう「基本概念」は上記に入っているはずです。使えそうなアイデアがあればトレードを行う際、参考にしてみてくださいね。なお、当ブログではここで一度スクリーニングを区切り、書ききれなかったものは後日追記します。

 

せっかくなんでちょっと書いておこうかな。

 

テクニカル分析好きな人多いと思うんだけど、結局は過去のデータを使うわけだから、未来に対しても必ずしもそうなるとは限らないわけです。これはプロでも素人でも同じ。特に、医学の臨床データなど自然科学分野の統計データとは違って、金融・経済などの社会科学分野は、人間の心理とか投資家各々の相場観とか、単純に数値化できない外部要因がたくさん絡んでくるので、ノイズによるブレが多いわけです。

 また統計データって、母集団や標本数、期間などの設定を少しいじれば比較的簡単に、データをいくらでも都合良く見せることができるわけです(例としてプロフィットファクターを高めに設定する自動売買ソフトなど)。だから教科書やセールストークを過信しないこと、そう、理論と実践は異なるものなのですよ。絶対に儲かる黄金律など存在しないのだ!

 

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